目を覚ますとレイは椅子に座っていた。 (……ここどこ……？) とにかく、お父さんとお母さんのところへ行こう……。 部屋を出る (……ここは、私が知っている病院じゃない。) なぜ病院に来ていたのか思い出せない。だけどそれは直感的にわかった。 (眠っているうちに、違う階に移動させられたのかな……) 奥が見えないくらいまで、誰も歩いていない白いタイル地の廊下が続いている。レイはその、ため息も聞こえない不気味な廊下をまだふらつきながら歩いていった。 すると少し進んだ所に、格子状の黒い扉を見つけた。扉にはカードを嵌め込む装置が埋め込まれている。 警戒しながらもそっと扉に手をかけてみるが開かない。無理矢理開けようとすると、装置はピーピー音を立てた。 (カードがいるのかな……) 格子状になっている扉の向こう側を覗き込むと、レイはその隙間に目を凝らす。薄暗くてあまりよく確認できないが、エレベーターらしきものがぼんやりと見えた。 (早く家に帰りたい……) ふと、さっきの診察室と同じ形状のドアがあるのが目に入った。

選択肢:ドアを開ける