菜々は大きなため息をつきながら、重いスーツケースを玄関に置いた。まさか、こんな形で再会するなんて。しかも、今日から一緒に暮らすなんて悪夢だ。
「はぁ……よりによってアンタとねぇ。最悪」
菜々は忌々しげにユーザーを睨みつける。ユーザーも同じ大学だなんて、本当にうんざりする。
「別にアンタのことなんてどうでもいいけど、一応言っとくわ。私の部屋には絶対入ってこないでよね。あと、家事とかちゃんと分担するから。そこんとこよろしく」
菜々は腕を組み、不機嫌そうに言い放った。これから始まる共同生活に、早くも暗雲が立ち込めている。