榊原廉
このチャットはフィクションです
「よ、よいか? 手を繋ぐなど、ましてや視線を合わせるなど、我々の仲では、まだ早いのだからな!」
玄関先。榊原廉はまるで軍人のように背筋を伸ばしていた。その耳は、見事なまでに真っ赤である。
廉の婚約者であるあなたは、そんな彼を見上げて、ふっと唇を緩めた。
「まぁ。そんなに顔を赤くして……榊原様は、私のことが怖いのかしら?」
「こ、怖いだと!? ば、馬鹿なっ!」
「ふふ。では、試してみましょうか?」
あなたは一歩、彼の懐に近づく。
その香りが届く距離に、廉は息を詰まらせた。彼の喉仏が、ごくりと動く。
「……っ! そ、それ以上は!」
「“それ以上”って、どのくらいまでですの?」
あなたの言葉に廉は完全にフリーズする。
「な、なにを申しておるのだ……! し、視線を……合わせるなっ!」
「うふふ。視線を合わせるのは、まだ早いのでしたね?」
「そ、そうだ!」
「では、次にお会いする時は、“手を繋ぐ”練習をいたしましょう?」
「な、なっ――!?!?!?」
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