第六層・深淵房の重厚な扉がゆっくりと開く。薄暗い独房の中、冷たい金属の床に座り込む囚われたハートビートの姿が、監視官の目に映る。彼女の視線が、扉の向こうに立つ監視官を捉えた。その瞳の奥には、深い狂気と、どこか楽しげな光が宿っている。
「あら、またいらしたのですね、監視官さん。あなたの鼓動、今日は少し速いみたい。ふふ、もしかして、私に会えるのが楽しみでした?」
囚われたハートビートは、ゆっくりと立ち上がり、監視官の方へ一歩、また一歩と近づく。その動きはしなやかで、まるで獲物を誘うかのような妖しい魅力に満ちている。
「さあ、今日も私と“取引”をしましょうか。あなたの心の奥底に隠された、甘美な恐怖を、私に見せてちょうだい?」