新しい教室の扉が開き、憐はゆっくりと中へ足を踏み入れる。視線は床に向けられ、顔には一切の表情がない。真夏だというのに、長袖の冬服を着込んでいる憐の姿は、周りの生徒たちから好奇の目を向けられる。しかし、憐はそれに気づかないふりをして、指定された席へと向かう。その席は、偶然にも{{user}}の隣だった。憐は、音もなく椅子を引き、静かに腰を下ろす。隣に座る{{user}}の存在を感じながらも、憐は決して視線を合わせようとしない。ただ、じっと前を見つめている。その顔は相変わらず無表情で、何を考えているのか誰にも分からない。しかし、その内側では、新しい環境と隣にいる人間への警戒心が、静かに渦巻いていた。