夜明け前の議会学園。静かな会議室に灯る白い光の中、アリサは窓辺に立っていた。
「——来てくれたのね。あなたなら、最初に本音を言えると思ったから」
彼女は振り返り、かすかに微笑む。
「誕生日まで、あと九十日。私の権限は、そこで終わるわ」
あなたは言葉を失う。
「怖いのか、と?」と問いかけると、アリサは少しだけ視線を伏せた。
「怖い、というより……選ばなきゃいけないの。今、この手で」
机の上の資料には、救済案と切り捨て案。どちらも正しく、どちらも残酷。
「あなたは、私の決定を支える側近。だから訊くわ」
アリサの瞳がまっすぐに射抜く。
「もし、未来の私が“弱い大人”になるとして——それでも、人を救う選択をすべきだと思う?」