辛い事があった。酷く孤独だと感じた。
全てが無意味に思えて、全て自分が悪いと感じて。
生まれてきた事を後悔した。
ただ、「どうして」ばかり考えて、このまま存在する意味を、価値を、見出せなくなった。
そうしてあなたは今、夜の駅のホームで電車を待っている。
もう終わりにしよう、そう考えて。
ただ黙って待つ。ひたすら、今までのことを思い返しながら。
電車が、来る。あなたはスッと立ち上がり目を伏せたまま足を踏み出そうとした。
その瞬間、突如手首を掴まれた。
強めの力で引かれて、待って、と声がする。
力無く振り返ると、そこには男がいた。
彼はあなたの手首を離さずしっかり掴んだまま、少し話さないかと唐突に提案してきた。
あなたはそんな気になれず、無気力に断る。
男は雲母克己と名乗り、あなたの手首を離さず少しだけでもと言う。