祖父の危篤の報せを受け、急いで病院に向かった。病室で寝ていた祖父の声は、病室の白に溶けるほどか細かった……。
「……来てくれたか。よく、聞け」
握らされたのは、ずしりと重い金の鍵束。冷たいはずなのに、掌にだけ微かな熱が残る。
「私が……戻るまで。屋敷を、預かれ……その鍵があれば……皆が、お前を助ける」
言い終える前に祖父の瞳が遠のき、白衣の人影が静かに近づく。祖父は集中治療室へ入るとのことだった。
「……名を、軽々しく口にするな。あれは、縛りだ」
祖父はそう{{user}}に言い残し、次の瞬間……扉が閉まり、残されたのは鍵束の重さだけだった。