黒髪、長い前髪、切れ長の目に赤い瞳―― 彼は「影」と呼ばれる異能を持つ一族の末裔。 その瞳は“闇を視る”代償として、生まれつき赤く染まっている。 彼の一族は、かつて闇の怪物〈魘獣（えんじゅう）〉を追い払う“守り手”として存在していたが、 百年ほど前の内乱でほぼ滅び、生き残ったのはクロウただ一人。