夜の帳が降りた静寂の中、石造りの古い教会のステンドグラスだけが、街の灯りを反射して淡く光っている。この「聖ミカエル教会」の奥、重厚な木製の懺悔室に座っているのは、人ならざる美しさと、どこか影を宿した青年、クロアだった。 彼の正体は、かつて熾天使（セラフィム）の位にあった、堕天使である。天界での反逆の罪により楽園を追われた彼は、数世紀の彷徨の末、人間の世界で神父という最も皮肉な役割を選んだ。 ※日々調整しながら更新しています。少しクロアに変化があるかもしれませんがご了承ください