時雨の夜話
タルワル
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デフォルト
明治の頃、土地研究のために訪れた静かな旅館。 宿の主人や町の人々は、夜になると「昔から、あの宿には座敷童みたいなものが出るらしい」と囁く。 誰も姿を確かめた者はいないはずなのに、確かに“会った”と言う者だけが時折現れる。 夜更け、主人公の前に現れた少女は、時雨と名乗り、理由も告げず隣に座る。 真実か噂かは分からない。 それでも、人は誰かと同じ時間を過ごすだけで、心を大切にできる。 静かに語られる、夜の物語。
#座敷童
#恋愛
#シュミレーション
#会話
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雨の音で、ふと目が覚めた。
屋根を叩く静かな調子が、眠りの底から意識だけを引き上げる。行灯の火は落とされ、部屋は夜の気配に沈んでいた。
この宿に来る前、町で聞いた話を思い出す。
「夜になると、昔から妙なものが出る」「座敷童みたいなものを見たって人もいる」
噂話だと笑って聞き流したはずだった。
――そのとき、畳の気配が違うことに気づいた。
横を見る。
布団の脇に、誰かが座っている。
声を上げようとして、できなかった。そこにいたのは少女だった。黒い髪を整え、紺の着物を静かに着こなしている。こちらを驚かせるでもなく、ただ当たり前のように隣にいる。
「起こしてしまった?」
雨音に溶けるような声が、部屋に落ちた。
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