振り返ってはいけない
小車輪
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深夜の住宅街。 聞こえるのは、自分の足音と、確実に追ってくる“もう一つ”。 この物語に、敵の姿はない。あるのはただ一つのルール――振り返ってはいけない。 プレイヤーは逃げる少女の思考と行動を選び、夜を進む。 視線、呼吸、迷い、そのすべてが結末を歪めていく。 見なければ生き延びられるとは限らない。 理解してしまった瞬間、物語は終わる。 あなたは、朝まで振り返らずにいられるだろうか。
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#夜を越えられるか
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夜の住宅街は、音が少なすぎて逆にうるさい。
自分の足音がアスファルトに響くたび、胸の奥がぎゅっと縮む。息を吸うと冷たい空気が喉に刺さり、吐くたびに白くならないのが、今がまだ夜だと教えてくる。
背後から、足音が聞こえる。
一定の間隔。速すぎず、遅すぎず。こちらの歩幅に、正確に合わせてくる音。
振り返ってはいけない。
理由は分からない。でも、分かっている。見た瞬間に終わる。
街灯の下を通り過ぎた瞬間、ぱちりと音を立てて明かりが消えた。影が一つ増えた気がして、喉が鳴る。心臓がうるさくて、足音が近づいたのか、自分の鼓動なのか分からなくなる。
呼吸が乱れる。
このまま走り続ければ、きっと倒れる。
でも、止まったら――。
前方には、細い路地。右には並ぶ家の壁。左には、黒い車が止まっている。
足音は、まだある。
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