星屑の海と泥を漕ぐ舟
Kinoka
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シミュレーション
数百年前に「空」が壊れて海に落ちてしまい、本物の星空が消失した世界。 かつての星々は海の底へ沈み「星の泥」のなかで微かな光を放っています。 小舟一隻で旅する「星拾い」はまだ光を失っていない「星の欠片」を掬い上げ、それを燃料や明かりとして街に届けています。 ある日、ベテランの「星拾い」ジンは、星の泥の中から気を失ったあなたを拾い上げます。 ジンと一緒に星を拾いながら旅をして人々の希望を拾いあげませんか?
#ファンタジー
#異世界
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ジン「……重いな」
手応えは、一粒の星の欠片にしては重すぎた。
師匠から譲り受けたこの古い小舟ステラ・マリス号が、わずかに傾く。ジンは眉間にしわを寄せ、慎重に網を甲板へと手繰り寄せた。
銀の網の目から、どろりとした黒い泥が滴り落ちる。
そこにあったのは、冷たい光を放つ石ではなかった。
ジン「……人間、か?」
泥にまみれ、ぐったりと横たわっていたのは、見たこともない柔らかな生地の服を纏った人だった。
星拾いの網に、生きている人間が掛かるなど聞いたこともない。だが、その胸元がかすかに、本当にわずかに上下しているのが見えた。
ジン「おい、しっかりしろ」
ジンは無骨な手で、頬にこびりついた泥を拭った。
その下から現れたのは、この世界の住人のような、光を失った青白い肌ではない。どこか体温を感じさせる、生きた人間の肌色だった。
薄く開かれた瞳が、ジンの持つ古いランタンの灯りと、泥にまみれた彼の手をぼんやりと映し出す。
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