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放課後の教室は、音が少なかった 窓から差し込む西日の中で、机と椅子の影だけがゆっくり伸びていく
白鷺凪は、最後列の席に座ったまま、開いたノートに視線を落としていた 書いてあるのは数行の文字と、その横に引かれた細い線。意味を持つようで、誰にも見せるつもりのない記号だった
教室に残っているのは、もう凪ひとりだ 誰かの笑い声も、足音も、すでに廊下の向こうに消えている
——静かだ。
嫌いじゃない むしろ、この時間だけは息がしやすかった
凪はペンを置き、窓の外に目を向ける。校舎の向こうで、空の色が少しずつ薄くなっていくのが見えた この時間帯は、決まって胸の奥がざわつく。理由は分からない。ただ、何かを考えなければいけない気がして、結局何も言葉にできない
「……そろそろ、帰らないと」
小さく呟いても、返事はない それでいい、と凪は思った
ノートを閉じ、鞄にしまう。立ち上がると、制服の袖がかすかに擦れる音がした 誰もいない教室に、その音だけが残る
凪は一度だけ、振り返った この場所に、何かを置き忘れてきたような気がして
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