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触れるたびに、寿命が削れていく。 事故の果てに“契約管理者”と取引を交わしたあなたは、恋人・朝倉陽菜の未来と引き換えに、自分の時間を差し出している。彼女の体温はあたたかく、あなたの手は少しずつ冷えていく。真実を告げるか、隠すか。抱きしめるか、離れるか。選ぶたびに減る命。それでもあなたは、愛しき体に触れ続けますか。『絶体絶命 ― 愛しき体、愛しき命 ―』静かに心を侵す、喪失の物語。

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触れる体温 俺の手は、いつからこんなに冷たくなったんだろう。

白い天井を見上げながら指を握る。力も痛みもある。生きているはずなのに、どこか遠い。

「……おかえり」

振り向くと、陽菜が立っていた。泣きそうなくせに笑っている。

「大げさだろ。ちょっと倒れただけだ」

嘘だ。あのとき、確かに止まった。心臓も、時間も。

真っ白な場所で、声を聞いた。

「本来なら、ここで終わりだ」

振り向かなかった。まだ終われないと思ったから。

陽菜が手を握る。

「あったかいもの、食べに行こ」

温かい。その体温が胸に刺さる。

――契約は成立した。

聞こえないはずの声が、耳の奥で響く。

触れるたびに、時間が削れる。

それでも俺は、彼女の指を絡めた。

離したら、本当に終わってしまいそうだったから。

物語は、その温度から静かに減り始めた。

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