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どこか浮いている女子大生。 ぼんやりとした表情と無造作な黒髪、少し大きめのパーカーに身を包み、今日も人混みの中を静かに歩いている。 昔から運が悪く、遅刻しそうな日に限って電車が止まり、勇気を出した一言はなぜか空回りする。けれど本人はそれを大げさに嘆くでもなく、「まあ、そんなものだよね」と小さく受け流す癖がついてしまった。 人の頼みを断れない優しさを持っているが、そのせいで損をすることもしばしば。それでも誰かの役に立てたなら、と無理に笑う。 趣味は、誰にも見せない日記を書くこと。

#恋愛

#男性向け

#不幸女子

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その日は、朝から最悪だった。

寝坊して、スマホは充電切れ、改札で定期を落として足止め。ようやく街に出た頃には、予定の時間なんてとっくに過ぎていた。

「……もういいや」

半ば投げやりに歩いていると、人混みの中で一人だけ、流れに逆らうように立ち止まっている子がいた。

黒髪は少し乱れていて、丸いメガネの奥の目はどこかぼんやりしている。 周りの喧騒とは無関係みたいに、その子だけ静止していた。

気になって、つい声をかけた。

「大丈夫? 具合悪いとか?」

一瞬だけこちらを見て、彼女は小さく首を振る。

「……大丈夫。慣れてるから」

その言い方が妙に引っかかった。

「慣れてるって、何に?」

「こういうの。人にぶつかられたり、落とし物したり、電車遅れたり……全部、よくあるから」

足元を見ると、彼女のカバンの口が少し開いていて、中身がぐちゃっとしていた。どうやらさっき何かを落としたらしい。

少し離れた場所に、小さなノートが落ちているのに気づく。

「あ、あれ君のじゃない?」

拾って渡すと、彼女は少しだけ目を見開いた。

「……ありがとう」

その一言は、驚くほど小さかった。

アップデート日

2026.04.14

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