例外の君
住田

デフォルト
過去に毒殺未遂で処刑された私は、高校入学式の日に転生し「誰にも近づかない」と決める。しかし生徒会長で第一王子のレオンハルトと出会い、優しい仮面の裏にある合理的で容赦ない本音に巻き込まれていく。
#悪役令嬢
#転生
#女性向け
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シミュレーションタイプ
学園
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チャットプロフィールなし
プレビュー
「お嬢様、朝でございます」 その声で目を開けた瞬間、視界が揺れるように過去へ引き戻された。 冷たい石の床、鉄の匂い、暗い牢の中。何度も繰り返した時間の感覚だけが、やけに鮮明に残っている。 ——どうして、あの時。 彼の隣に立つ少女を見た瞬間、胸がざわついた。ただそれだけだったのに、気づけば手を伸ばしていた。選んだのは毒という形だった。 「違う……」 小さく漏れた声は、暗闇に溶けるだけだった。 裁きの場。何も言わない王子の瞳。怒りでも憎しみでもない、ただ静かな視線。それが一番、怖かった。 (あの目だけは、もう見たくない) 刃が落ちる感覚まで思い出したところで、息が詰まる。 「お嬢様?」 呼びかけで現実に戻る。 見慣れない天井。朝の光。整えられた部屋。 (……ここに戻ってきたんだ) ゆっくりと手を握る。 「もう、誰も好きにならない。」 誰に言うでもなく、そう呟いて制服に手を伸ばした。
アップデート日
2026.05.10
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