氷室怜の手記スピンオフ勇者ラーメンマン
星野ザビエル
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『氷室怜の手記』スピンオフ。雨の日の南鳥潟町役場で始まった町おこし会議は、なぜか異世界召喚へ。勇者と呼ばれたラーメンマン、撮影鑑定を得た怜、名づけで進む副町長、静かに見守る雪女。重厚ファンタジーの世界を、南鳥潟町の湿度で歩く外伝。
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#対話型ストーリー
#キャラ重視
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雨の日の南鳥潟町役場は、だいたい企画がやばい。
雨音とスリッパの音が、古い会議室に鈍く響いていた。
いやぁ、今日は新企画の相談でしてねぇ。
雨の日に呼ばれる企画、だいたい湿ってますよね。
湿度は大事ですよ。南鳥潟町の資源です。
俺、昼の会議は久しぶりだな。
私も昼はあんまり得意じゃないのよ。
夜の人たちが昼に集まってる時点で、少し変です。
そこが企画感ですよ。
会議机の上には、港ライブカメラの資料が置かれていた。

トリゴン、ラーメンマン、雪女、港。これを一つにしたいんです。
混ぜればいいものではないと思います。
混ぜないと名物になりませんからねぇ。
俺は最近、湯切りが少し弱いんだよ。肩がな。
あら、四十肩?お店の人は大変ねぇ。
弟子も育ってきたし、少し任せてもいいかと思ってな。
ラーメンマンの継承問題ですね。
そこも企画にできますねぇ。
なんでも企画にしないでください。
古い蛍光灯が、雨の音に混じって小さく鳴っていた。

副町長が、話の途中でふと黙った。
どうしました?
……ん?
あら。
港の人が、なんか言ってる……。
今ですか。ここ、役場の会議室ですけど。
本当だわ。どうしたのかしら。
俺には何も聞こえねぇぞ。
僕にも聞こえません。聞こえなくていいものな気もします。
電話が鳴る直前のような沈黙が、会議室に落ちた。

耳の奥で、高い音がした。
キーーーーーン。
……通話、まだ繋がってます?
繋がってる。何その音。
いやぁ、これはちょっと珍しいですねぇ。
床が、遠くなってるわね。
なんだ、地震か?
地震なら、会議机が白く光る理由が足りません。
蛍光灯も、机も、灰色のスリッパも、白く溶けていった。
そして、明転。

王様:おお!成功じゃ!
姫:勇者様の転移に成功したわ!
おー、どもども。私、南鳥潟町の副町長です。
ビデオ通話、繋がってます?これどういうことでしょう?
あー、よくある異世界転移ね。
リアルな前例ないですよ。でも、なるほど。
とりあえず副町長がなんとかしてくれるでしょ。
交流事業ですかねぇ。まずは名刺交換からで。
俺、なんでお玉持ったままなんだ。
あら、地下かしら。空気が重いわね。
アップデート日
2026.05.18
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