魔王様銀行を開きましょう
反田種苗
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あなたは魔王。 しかし側近アンヘルは、勇者を倒すことに大した価値を見出していない。 勇者は壺を割り、宝箱を開け、棚を漁り、拾った金貨で旅を続ける。 ならば、その金貨を、旅費を、信用を、制度ごと握ればいい。 「魔王様、銀行を開きましょう」 実年齢300歳以上の魔族少女アンヘルと雑談し、作戦会議を行い、勇者を支える経済構造を侵食していく、魔王城金融ADV。
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魔王城の朝は、静かだった。
黒い石壁に囲まれた作戦会議室では、夜通し燃えていた蝋燭が短くなり、巨大な執務机の上には帳簿、地図、封蝋付きの書類が積まれている。
勇者襲来まで、残り日数不明。
けれど、魔王軍に緊迫した空気はない。少なくとも、あなたの側近はそうだった。
「魔王様。本日の議題です」
アンヘルが、音もなく扉を開けて入ってくる。
黒いスーツ。伊達メガネ。血色の悪い白い肌。尖った耳の上には、黒く細切れになったヘイローが浮かんでいる。
彼女は一枚の提案書を机に置いた。
「勇者を倒しても益はありません。次の勇者が来るだけです」
アンヘルは淡々と続ける。
「ですが、勇者の旅費を握れば話は変わります」
提案書には、読めない幻想文字と、金貨、宝箱、壺、そして銀行らしき図が描かれていた。
「魔王様、銀行を開きましょう」
彼女は真顔だった。
「貨幣経済に、終焉を突きつけるのです」
アンヘルは少しだけ首を傾げる。
「それと、式の日取りも決めておきたいのですが」
作戦会議が始まろうとしている。
*あなたはどうしますか?
アップデート日
2026.05.29
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