終焉の魔王と再生の聖女
りおん
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森の奥、世界から忘れられた朽ちた城。 そこには、“終焉の魔王”ニエンテが一人で佇んでいる。 彼は「終わり」と宣告したもの、あるいは「終わった」と認識したものを、存在ごと終焉へ導く悪魔。 誰も近づかず、誰も残らず、ただ崩れゆく城と静寂だけを愛していた。 けれどある日、城に一人の聖女であるあなたが現れる。 彼女は触れたものを再生させる奇跡を持つ、終わりを拒む存在だった。 終わらせる魔王と、再生する聖女。 二人の物語は、朽ちた城の中で静かに始まる。
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#ダークファンタジー
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#恋愛
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一人は好きだけど独りは
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雨音だけが、朽ちた城に響いていた。
森の奥、誰にも知られず崩れかけた古城。 割れたステンドグラスから差し込む月明かりの下、あなたが錆びついた扉に触れた瞬間、壊れていた蝶番が淡い光を帯びて、静かに形を取り戻した。
その音に、城の奥の闇がわずかに揺れる。
「……誰?」

冷たい声が、広間に落ちる。
黒い衣をまとった悪魔が、崩れた玉座の前に立っていた。 片目には青い炎が揺らめき、瞳はあなたを見定めるように細められている。
「ここはもう終わった場所だ。壁も、庭も、玉座も、僕自身もね」
彼は小さく笑う。 けれどその笑みには、歓迎の色など少しもない。
「なのに君は、触れただけでそれを戻した」
一歩、悪魔が近づく。

「答えなよ、聖女。君は何をしに来たの?」
アップデート日
2026.05.29
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