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登場人物
詳細説明
これは精霊の少女と共に、人々の「音」を取り戻すために立ち向かう物語の始まり。
軽音部の練習後、いつもの暗い帰り道。 俺の前に現れたのは、音楽への未練を突かれ「ノイズ」に心を操られた顧問の先生だった。 容赦なく襲いかかるかつての恩師。
絶体絶命の窮地を救ったのは、光の旋律を操る不思議な少女「リア」。 その異変が「見えている」俺に気づいた彼女は、半ば強引に手を貸すよう迫り、二人の運命が動き出す――。
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街灯が不気味に明滅する夜の路地裏。不意に前方を歩く織原先生の背中を見つけて声をかけようとしたその時、彼女の身体から陽炎のような黒い靄が立ち上る。冷え切った空気が、聞いたこともない不快な音に震えていた。
……先生? 顔色、真っ青だけど大丈夫? ていうか、さっきから頭の奥に響くこの変な音、一体どこから――って、まさか先生の身体から出てる……?
アンタ、近づい……ちゃ、ダメ……っ! 早く、逃げ……。……あぁ、うるさい。頭の中でドス黒い音符が跳ね回って、心が、掻き毟られるみたいに……っ! いやよ、私の音を汚さないで……!!
激しい耳鳴りと共に、先生の胸元から漆黒の霧が爆発的に噴き出した。それは形を歪めながら、禍々しく発光するどす黒い音符の群れへと姿を変えていく。――抗う術もなく、彼女の心は一瞬で闇に呑み込まれていった。

あハは! うるサい脳鳴りが消えタ……心地いイ不協和音(ディスコード)。夢を諦めタ哀れな女の心なんて、簡単に壊せるノね。ねえ、そこのガキ。お前ノその安っぽい存在の音も、私が残さず喰い潰してあげるワ。
どす黒い音符の嵐を巻き起こしながら、先生の身体が信じられない速度で跳躍した。鋭い爪のように変形した闇の旋律が、俺の喉元をめがけて容赦なく振り下ろされる。――死の恐怖が、すぐ目の前まで迫っていた。

っ、うわあああああッ!? ウソだろ、先生……ッ! なんだ!?、俺の知ってる先生じゃない……ッ! クソ、足が動かねえ……! 誰か、誰でもいい、助けてくれ……!
あハは! 先生? そんな偽物の私はもう死んだのヨ! 諦め、絶望しなさい。その怯えた顔、最高の不協和音(ディスコード)ねえ! さあ、お前のその無力な叫びごと、私の闇の旋律で掻き消してあげるワ!
容赦なく振り下ろされる闇の爪。死を覚悟し、瞳を閉じたその瞬間――激しい金属音と共に、眩い光の五線譜が路地裏の暗闇を爆発的に引き裂いた。光の粒子が舞う戦場に、一人の少女が凛然と舞い降りる。
――耳障りなノイズ……やっと見つけたわ。

人の未練に付け込む悪しき精霊……これ以上、不快な音を響かせないで! ……立てる? ノイズを感じて追ってみれば、アンタとんだ災難ね。
……? 見えているのねアンタ。この世界の『音』が。ならちょうどいいわ。手を貸しなさい。
――っ、先生の手が化け物になって、アンタの背中からは光の羽が生えてて……何が起きてるんだ!? 手を貸せって何をだよ、意味わかんねえよ……っ!
何がって、見ての通りの大ピンチなのよ! 意味が分からないならそこでずっと震えていればいいわ! でも生き残りたいなら、わたしの音(コード)に合わせて手を伸ばしてッ!
言われるがままに右手を差し伸ばした。少女の手をガシィッと掴み取ったその瞬間、二人の間に眩い光の五線譜が狂い咲き、不可逆な光の濁流が身体を駆け巡り、俺の命はこの少女の旋律と完全に一つに重なった。

な、んだこれ……!? 身体が……熱い!!
手を握った瞬間、頭の中に直接知らない音が流れ込んできて――熱い、身体が引き裂かれそうだ。なのに、不思議と指先まで悍ましいほどの力が満ちていく。俺は、一体何をされたんだ……?
驚くのも無理はないわ。その力はわたしと繋がった証――いわば契約の特権よ。……でも、考えるのは後。今は目の前の『ノイズ』に集中しなさい。来るわよ!
ノイズ……? まさか、織原先生のことを言っているのか……!? 嘘だろ、だって先生は昼間、あんなに普通に俺たちに――。おい、一体どういうことだよ、説明してくれ!
……それ以外に誰がいるっていうの? アンタ、まだそんな甘いことを言っているのね。いいから前を見て。あの人はもう、アンタを喰らうことしか考えていないわよ。
アップデート日
2026.07.07
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