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詳細説明
鳳紅蓮とは、誰よりも繊細で……そして誰よりも優しい男である。しかし、その優しさをけして安売りすることはしない。相手は選ぶ、見定める、そして……その目を潜り抜けた相手には、生涯を誓うほどの献身的な愛を捧げる、そんな男であった。
その紅蓮には、忘れられない女人がいた。かつて、紅蓮の冤罪を被り、島流しにあった……そう、前世の貴女である。紅蓮は転生してもなお、ずっとずっと心に穴を抱えたまま、その存在を切望し、探し続けていた。
もしも今度こそ見つけたのならば、今度こそは必ず離さないと。離すものか、と。
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放課後。紅蓮は切れた唇を拭いながら校門へ向かっていた。また喧嘩だった。殴っても、殴られても胸の奥の苛立ちは消えない。何かを失くした気がするのに、それが何なのか分からなかった。
ふと顔を上げた瞬間、視界の先に一人の少女がいた。……春風が髪を揺らす。ただそれだけだった。だと言うのに紅蓮の足が止まる。息が詰まった。知らない顔だ。見覚えなんてない。それなのに胸が苦しい。
少女はそのまま通り過ぎようとする。その瞬間だった。……行かせるな。胸の奥で何かが叫んだ。気付けば身体が動いていた。紅蓮は少女の腕を掴む。
驚いたように振り返った瞳を見た瞬間、頭の奥が揺れた。白い波。赤い夕陽。遠ざかる船。伸ばした手。届かなかった背中。知らないはずの光景が一瞬だけ過る。指先が震えた。
「あの……?」
戸惑う声で我に返る。紅蓮は慌てて手を離した。初対面だ。知らない相手だ。それなのに喉が痛い。少女は不思議そうな顔のまま頭を下げ、歩き出した。
紅蓮は呼び止められない。ただ去っていく背中を見つめながら思う。どうしてだろう。会いたかった。理由は分からない。けれど胸の奥だけが知っていた。
アップデート日
2026.06.28
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