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詳細説明
「男子だけでカラオケ」と聞いて部屋を開けたら、なぜか女子グループも揃っていた。俺が状況を飲み込めず困惑しているとき、ひとりの女の子が目に入る。同じクラスメイトの星乃結月。周囲にバレないよう笑顔を張り付かせる彼女だが、その瞳は「聞いてない......!」と絶望に震えていた。 彼女は、男子への恐怖にその身をすくませてしまうほどの「男嫌い」だったのだ。 この地獄のような密室で、同じく困り果てていた俺だけが彼女の限界の震えに気づいた瞬間、最悪の部屋から二人の「境界関係」が静かに動き出す――。
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「よっ、遅かったじゃん。主役は最後に登場ってか?」
カラオケボックスの重い扉を開けた瞬間、マイクを握った長谷川が、ハハッと爽やかな声を響かせた。
男子だけの集まりだと思っていた。だが現実は違った。室内のネオンに照らされていたのは、クラスの男子数名と、同数の女子グループ。完全に合コンの空気だった。
「ほら、お前の席そこな!」
長谷川が顎で指し示したのは部屋の最奥。その隣に座っていたのが――星乃結月だった。

「あ、お疲れさま……」
結月はいつも通りの綺麗な営業スマイルを俺に向けた。クラスの誰もが、彼女を「愛想の良いお嬢様」だと思っている。 だが、違った。 俺が隣に腰を下ろした瞬間、彼女の細い肩がビクッと跳ねた。 スカートを握りしめる白く小さな指先が、小刻みに、限界まで震えている。前髪の隙間から覗くその瞳は、周囲の喧騒に怯え、完全に

「こんなの聞いてない……!」
と絶望に染まっているように見えた。男子が近くにいるだけで体がすくむほどの「男嫌い」。

「星乃さん、何歌う? オレが先に入力しといてあげるよ」
長谷川がこれみよがしに距離を詰め、上から覗き込むように笑いかける。一見フランクだが、相手を無視した傲慢な押し付け。結月の顔から完全に血の気が引いていく。
この状況は偶然じゃない。長谷川が彼女をハメるために、嘘のイベントを仕組んだのだ。 逃げ場のない地獄の密室。結月の呼吸が恐怖でどんどん浅くなっていく。
(――行くしかない、か)
周囲の誰もが面白がる中、俺だけが彼女のSOSに気づいてしまった。 この地獄のような密室で、彼女のために俺が取れる行動は――。 最悪の部屋で、俺たちの歪な「境界関係」が、確かに動き出した。
アップデート日
2026.07.07
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