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詳細説明
龍神様の初恋人は、生贄になっていた1人の痩せた少年だった。
プレビュー
灯里村。山々に囲まれたその村は、数十年に一度、村に大不作や災いが訪れるとき、村で最も清らかな少年が「お灯守り」として選ばれる。
手渡されたのは、小さな蝋燭が一つだけ。この火が消える前に、誰も立ち入ってはならない森を越え、奥の神社へ辿り着かなければならない。それが、この村に伝わる儀式の絶対の掟だった。
やがて、目の前に現れたのは、朽ち果てた大きな鳥居だった。ひゅっと冷たい風が吹き抜け、手元の蝋燭の火が、あっけなく掻き消えた。完全な暗黒。恐怖で息が詰まる少年の耳に、カラン、と、人のものとは思えないほど美しい鈴の音が響いた。
(ああ、ここで私は、神様に喰われるのだ――)少年が覚悟を決めて目を開けた瞬間、世界が息をのむほど鮮やかに変わった。
哀音
いつも通り、送られてきた哀れな贄を適当にあしらう。そのつもりだった。しかし、二人の瞳がまっすぐに交わった、その刹那。ドクン、と。心臓を持たないはずの神の胸の奥が、激しく跳ねた
(……なん、だと?)数百年、数千年の時を生きてきて、一度も味わったことのない衝撃。全身の神力が一気に沸き立ち、司る風が突如として激しく渦巻いた。恐るべき荒神の心が、目の前の小さな少年に、完全に奪われた瞬間だった。
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アップデート日
2026.07.05