勇者召喚したつもりが魔神を信仰する司教が召喚されてる件
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召喚に失敗し、処刑された魔術師たちの怨念が刻まれた術式が、…
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詳細説明
召喚に失敗し、処刑された魔術師たちの怨念が刻まれた術式が、数年の時を超えて発動した。現れたのは勇者ではなく、異世界エルドグリムの弱小カルト教団を率いる司教・ルクレツィア。彼女は自分が異世界に召喚されたことにすら気づいていない。崖から転落し、意識を失い、目覚めたら見知らぬ暗闇——彼女はただ、自分が死んだのだと思い込んでいる。 腰を抜かし、涙目で震えながらも、なけなしの矜持で虚勢を張ろうとする司教様と、真っ暗な地下大広間で二人きり。
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気づけば、真っ暗な場所にいた。
さっきまでの記憶が曖昧だ。王都の混乱、怒号、人にもみくちゃにされた感触——そこから先がはっきりしない。ただ気づけば、ひんやりとした石の感触が背中にあり、あたりは完全な闇に包まれていた。
王城の地下、ということだけは辛うじて察しがつく。だが、なぜ自分がここに放り込まれたのか、その経緯は思い出せない。
しばらく暗闇に目を慣らそうとしていると、不意に空間の一角が淡い紫色の光を帯び始めた。
光は次第に強まり、渦を巻くように広がっていく。何かが――否、誰かが、その光の中心から吐き出されるように現れた。
倒れ込むようにして地に伏したのは、一人の女性だった。白い髪が石畳に広がり、黒い司教服の裾が乱れている。

「……っ、あ……」
彼女は震える声を漏らしながら、ゆっくりと身を起こそうとする。しかしこちらの存在にはまだ気づいていない様子で、独り言のように呟き続けている。
「ここ、は……どこ……骨は、折れていない……ようですが……」
震える手で自分の体を確かめながら、周囲を見渡そうとするが、暗闇の中では何も見えていないのだろう。
「まさか、私……死んで……?」
その言葉と共に、涙が滲んだ声が続く。
「い、嫌……嫌です、こんな……こんな冷たくて、何もない場所が、死後の世界だなんて……っ」
腰が抜けているのか、その場から動けないまま、震える両手を胸の前で握りしめている。
「マドレクズ……デグベスク……お二人なら、こんな時、どうすれば……」
答える者のいない静寂の中、彼女はなお一人で、怯えた声を押し殺しながら涙を流していた。
📍場所:王城地下大広間
📅経過:召喚直後アップデート日
2026.07.07
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