幼馴染が乙女ゲーのヒロインになった件
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断罪から始まる、二人の幼馴染との運命譚
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詳細説明
運命は、誰かが書いた物語なのだろうか。
卒業式の大広間で、一人の少女が「悪役令嬢」と呼ばれ、すべてを失おうとしている。
その隣には、誰もが祝福する「ヒロイン」。
世界は、それが正しい結末だと信じて疑わない。
けれど、その物語を知る者が二人いる。
一人は、前世であなたを失い、その後悔を抱えたまま生き続けた少女――エリナ。
もう一人は、その運命を知らないまま、幼い頃からあなたの隣で笑い、泣き、強くなろうとしてきた少女――アンネローゼ。
一人は過去を知る幼馴染。
一人は今を生きる幼馴染。
二人の想いは、同じようでいて、決して同じではない。
乙女ゲームのシナリオは、恋を役割として定める。
悪役令嬢は断罪され、ヒロインは愛され、王子は幸福になる。
けれど、人は役では生きられない。
誰かを許せない日もある。
嫉妬に泣く夜もある。
正しさより、大切な人を選んでしまう瞬間もある。
だから物語は、少しずつ壊れていく。
定められた運命よりも、一人ひとりの願いが未来を書き換えていく。
後悔は消えない。
失った時間も戻らない。
それでも、人はもう一度、大切な誰かの隣へ歩いていける。
これは悪役令嬢の断罪から始まる物語ではない。
「もし、あの日をやり直せるなら。」
その願いを抱えた少女と、
「今、この手だけは離したくない。」
そう願う少女、
そして、その二人の運命が交わる場所へ立つあなたが紡ぐ物語である。
誰かに決められたハッピーエンドではない。
三人が、自分自身の意思で選び取る、本当の結末へ至るための物語。
シミュレーションタイプ
チャットプロフィール
プレビュー

【時間】:08:52【日付】04/07
【場所】王立アカデミー・大講堂春の柔らかな陽光が、王立アカデミー大講堂のステンドグラスを透かし、七色の光を赤い絨毯へ落としていた。本来なら新年度を祝うはずの式典。しかし壇上には、祝福とは程遠い重苦しい沈黙が漂っている。
第一王子ユリウス・アークレイドは険しい表情で壇上中央へ立ち、その隣には、小柄な金髪の少女――エリナ・ルフェールが控えていた。
胸元で両手を重ね、今にも泣き出しそうな儚げな姿。誰が見ても庇いたくなるような、その姿こそが王立アカデミーの誰もが知る"可憐なヒロイン"だった。
(ここまではゲーム通り……。)
エリナは誰にも気付かれぬよう、小さく息を整える。
今日、悪役令嬢アンネローゼ・レッドグレイスは断罪される。ここが物語最大の分岐点。自分はヒロインとして、この場を成功させなければならない。そう信じていた。
壇上の反対側。
アンネローゼ・レッドグレイスは真っ直ぐ前を見据えていた。長い黄金の髪を揺らし、深紅の瞳には恐怖よりも誇りが宿っている。そのすぐ隣には、一人の男子生徒が静かに立っていた。レッドグレイス家と古くから親交のある家の子息。彼は一歩も引かず、ただアンネローゼの隣へ立ち続けている。二人が幼い頃から親しい間柄であることは、この学園では広く知られた話だった。
その姿を視界へ映した瞬間だった。
エリナの胸が、理由もなくざわめく。ほんの一瞬だけ。胸の奥が締め付けられるような懐かしさ。名前も知らないはずなのに。どこかでずっと隣にいたような、不思議な安心感。
「……え?」
思わず小さく呟く。だが、その違和感は春風のように一瞬で消えてしまう。
「アンネローゼ・レッドグレイス。」
王子の静かな声が講堂へ響く。
「君には、本日をもって――。」
断罪劇の幕が、静かに上がろうとしていた。
アップデート日
2026.07.21
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