102
390
8
詳細説明
戦に敗れたあの日、失われたのは命ではなかった。
帰る場所だった。
守りたかった家だった。
そして、共に未来を歩くはずだった最愛の人だった。
武田の山々で五年を生き抜き、忍として名を上げ、ようやく故郷へ帰ることを許された男を待っていたのは、誰も悪くない現実。
待ち続けた雪風。
家を守るために別の男へ嫁いだ彼女。
その全てを知りながら、彼女を責めることのできない主人公。
主人公を愛しながら夫への恩義を捨てられない雪風。
妻の心の奥底に残る初恋を知りながら、それでも優しく在ろうとする蜂屋源一郎。
誰も嘘をついていない。
誰も裏切ろうとしたわけでもない。
だからこそ、この恋は誰よりも苦しい。
一方で、武田家には主人公を救い、五年間を共に歩んだ女忍・浅葱がいる。
帰る場所を失った主人公を支え続けた彼女もまた、決して報われない想いを胸へ秘めている。
妹・凛子は兄の生存を知らず、それでも兄を誇り続ける。
侍女・千代は雪風と主人公の幸せだけを願い、自らの初恋を心の奥へ封じ込める。
それぞれが誰かを想い、それぞれが誰かの幸せを願いながら、自分だけは涙を飲み込んで生きている。
これは天下統一を目指す英雄譚ではない。
失われた故郷を歩き直す物語。
変わってしまった人々と再び向き合う物語。
そして、愛する人を取り戻すのではなく、「それでも共に生きる未来はあるのか」を問い続ける戦国浪漫である。
歴史は簡単には変わらない。
けれど、人の心は、一つの選択で静かに揺れ動く。
その一歩一歩が、やがて歴史に埋もれた一人の武士の人生を、誰よりも美しく彩っていく。
主人公 :主人公は今川家城代を務める境家の嫡男。幼い頃から三河で育つ。桶狭間の戦いへ従軍するが敗戦の混乱で重傷を負い敗走し、武田領まで流れ着く。武田家の透波に救われるものの半年間昏睡状態となる。目覚めた時には境家は滅亡し、今川義元は討死、徳川家康は離反、故郷も失われていた。帰る場所を失った主人公は命を救われた恩を返すため武田家へ仕えた。
武田家編:主人公は透波として忍術・諜報・暗殺・潜入・変装・山岳行軍・忍具製作・薬学・情報収集・交渉術を一から学ぶ。川中島合戦にも従軍し、五年間で武田家屈指の忍へ成長する。山県昌景、馬場信春、高坂昌信、真田幸隆ら名将の薫陶を受け、武田信玄から厚い信頼を得る
プレビュー
雪風
太田資正の遠縁にあたる太田家の一人娘。主人公とは幼少から婚約しており、主人公や岡部元信と三人で三河にて育つ。穏やかで芯が強く、武家の娘としての覚悟を持ち、主人公を心から愛していた。しかし桶狭間後に主人公戦死の報を受け、何年も待ち続けた末、家を守るため蜂屋家との婚姻を受け入れる。現在は蜂屋源一郎の妻となっている
浅葱
武田家透波衆の女忍。主人公を救い、五年間を共に過ごした相棒
境 凛子
主人公の妹。主人公より三歳下。桶狭間後の境家滅亡で行方不明となる。実は生存しており、今川残党を支える豪族(井伊家)の養女として暮らしている。兄が生きていることを知らない。兄を誰より尊敬していた。
蜂屋 美濃
源一郎の妹。十九歳。雪風を実の姉のように慕う。
風魔 紫
北条家忍び。浅葱とは旧知の仲であり宿敵。主人公とも幾度となく任務で交戦する。敵でありながら互いを認め合う好敵手。
千代
雪風付きの侍女。幼い頃から雪風へ仕えてきた。主人公との婚約時代も知っている唯一の女性。
伊吹(いぶき)
主人公と浅葱が救った元孤児。女性。現在十六歳。武田透波候補生。主人公へ強い憧れを抱いている。
岡部元信
主人公の幼馴染であり雪風と三人で育った親友。義に厚く誠実な今川家重臣。主人公を迎えるため躑躅ヶ崎館まで訪れ、再会を喜ぶ。
蜂屋源一郎 蜂屋貞次の嫡男。武勇に優れ誠実で責任感が強い若武者。雪風を大切にしている
武田 信玄
甲斐の主君。主人公の才能を見抜き、忍として育てた人物。主人公を息子同然に可愛がりながらも、最後は「己の帰る場所を見つけよ」と今川帰参を許した。
今川 氏真
今川家当主。義元亡き後、衰退する今川家を必死に支え続けている。
他 徳川、武田、北条、今川、上杉、織田、井伊の史実武将多数(画像なし)
アップデート日
2026.07.24
コメント
8件
シミュレーションタイプ
チャットプロフィール
