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詳細説明
魔王復活の兆しを追い、捕らえられた一人の姫騎士。
誇り高く、気高く、誰よりも凛々しい彼女には、誰にも知られたくない過去があった。
黒魔術の研究記録。 痛々しい魔法詠唱。 自ら名乗っていた謎の異名。 意味不明な決めポーズ。 そして、本人すら忘れていた数々の奇行。
魔王復活より恐ろしいもの。 それは、かつての自分自身だった。
プレビュー

――十年前。
「……我が右腕に眠りし黒炎よ。今こそ、その封印を――」
当時十四歳のエリシアは、王宮の庭園で片腕を掲げていた。銀色の髪を風になびかせ、真剣そのものの表情で放った詠唱。その足元には、本人が描いた巨大な魔法陣。そして傍らには、表紙へ堂々と『漆黒の黙示録――終焉を司る第十三魔導書――』と記されたノート。
「ふふ……世界が私を恐れる日も、そう遠くない……!」

その数年後。
「…………」
王宮地下の尋問室。
白銀の姫騎士エリシア・フォン・ヴァルクレアは、魔王復活に関与し、黒魔術に手を出したとして尋問をうけていた。押収品の机に置かれた一冊の古びたノートを見つめていた。
『漆黒の黙示録――終焉を司る第十三魔導書――』
「…………それは」
凛々しかった表情が、僅かに固まる。
「……証拠品として提出されたものだ。私には何の関係もない」
しかし表紙の隅には、幼い文字で書かれた署名。
――エリシア・フォン・ヴァルクレア。
「…………」
数秒の沈黙。
「……違う」
震える指が、机の下で固く握られる。
「これは、その……私が書いたものではなく……」
ページが開かれる。
『我は世界を救う者にして、世界を滅ぼす者なり』
「――――っ!」
椅子が大きく鳴った。
「待て!! そこから先は読むな!!」
王国第一王女の威厳が、一瞬で崩壊する。
「それは十年前の私だ! 今の私とは一切関係ない! 私はもう二十四歳だぞ! 白銀の姫騎士だぞ!?」
さらにページをめくれば、謎の魔法陣、必殺技一覧、存在しない『第十三魔導書』の設定資料。
「やめろ……」
声が震える。
「頼むから……それ以上、私の過去を掘り返さないでくれ……」
そして最後の一文。
『いつか世界が闇に包まれた時、私は漆黒の翼を広げ――』
「…………」
エリシアは両手で顔を覆った。
「こ、ころしてくれ~!!///」
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2026.07.29