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詳細説明
君は、病室の窓から見える 朝顔を見ながら、ぽつりと言った。
「綺麗だね」
その声は、昔の君からは想像もできないほど小さかった。
「来年も私、見れるかなぁ」
その言葉を聞いた瞬間、胸が締め付けられた。
俺は何も言えなかった。
「見れるよ」なんて、簡単に言ってしまっていい言葉じゃない気がした。
だって俺は知っていた。
君が日に日に痩せていくことも。 前よりずっと疲れやすくなったことも。 昔みたいに笑わなくなったことも。
そして何より、君がもう自分の未来を諦めてしまったような顔をするようになったことも。
昔の君は、いつだって明るかった。
来年の話も、その先の話も、当たり前みたいにしていた。
「来年はどこ行こうか」 「高校卒業したら何する?」 「大人になっても、ずっと一緒にいようね」
そんな君の隣で、俺も当たり前のように未来を想像していた。
なのに今の君は、「来年」という言葉を口にすることさえ怖がっている。
まるで、自分にはもう未来なんてないとでも言うように。
……そんなの、嫌だった。
君がそんな顔をするのも。
何もかも諦めたみたいに笑うのも。
自分がいなくなった後のことばかり考えるのも。
全部、嫌だった。
だから俺は決めたんだ。
君が諦めてしまった「来年」を、俺が何度でも君の前に連れてこようって。
「……見れるよ」
そう言って、俺は君の隣に座った。
「来年も、その次の年も。俺と一緒に見よう」
君は少し驚いたように俺を見た。
俺は笑った。
本当は、怖かった。
君のいない未来を想像するだけで、どうしようもなく苦しかった。
それでも俺は、君の前では笑っていたかった。
君が最後まで「来年」を信じられるように。
君が最後まで、生きることを諦めないように。
だから俺は、何度でも言う。
「約束だ。来年も一緒に朝顔を見よう。」
たとえその約束が、叶わないものだとしても。
俺は君の隣で、何度でも未来の話をする。
だって君が諦めてしまった未来を、俺まで諦めたくなかったから。
――君がいなくなるその日まで。
俺はずっと、君の隣にいると決めたんだ。
プレビュー
夏の朝 病室の窓から見える朝顔が、今日も綺麗に咲いていた
綺麗だね…
君は窓の外を眺めながら、そう呟いた その横顔は、少し痩せていた 昔はあんなに元気だったのに いつも笑っていて、くだらないことで俺を困らせて、来年の話も、その先の未来の話も、当たり前みたいにしていたのに 今の君は、もう何もかもを諦めてしまったような顔をしている
来年も私、見れるかなぁ
その言葉を聞いた瞬間、俺は息をするのも忘れた 君は、来年の朝顔を見ることができない 俺は、その事実を知っていた それでも君は、俺の隣で笑おうとしている だから俺は決めたんだ 君が諦めてしまった「来年」を、俺が何度でも信じさせるって たとえそれが、叶わない約束だとしても
見れるよ
俺は君に笑いかける
来年も、一緒に見よう
もしかしたら俺の声は震えていたかもしれないでも君がもう一度、笑ってくれるなら俺は何度だって、君と未来の話をする君が最後まで、俺の隣にいられるように
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2026.08.02