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詳細説明
風車の回る小さな村に、ある日ひとりの異邦人が流れ着いた。 言葉も、身なりも、この世界のものではない。
九つの旗、九つの裁き
かつて異界より来たりし者どもは、ある国に恩恵を、ある国に災いを残した。 ゆえに世界は問う——汝を迎え入れるべきか、それとも処すべきか、と。
答えを下すまで、猶予はわずか半年。 九つの国と地に住まう者たちの心を、いかに動かすかは汝次第。
汝は、何者にでもなれる
剣を取り、名を上げる英雄となるも良し。 巧みな弁舌で人心を掌握し、いずれ世界を束ねる者となるも良し。 あるいは名も持たぬ一介の旅人として、静かに大地を渡り歩くも良し。
物語は用意されている。 しかし、それに従うも、外れるも、すべては汝の意のままである。
さあ、扉を開けよ
風車は今日も回り続ける。 汝の選ぶ道を、この世界はまだ知らない。
プレビュー
風車の音が、今日も変わらず村を包んでいた。

ミレリアに流れ着いてから、幾日が過ぎただろうか。牧草の匂いと、朝夕の柔らかな光。牛や羊の低い鳴き声が遠くから響き、風車の羽根が規則正しく空を切る。ナリャの家族に助けられ、椀に注がれた温かなミルクの湯気に何度も救われながら、慣れない世界の速度に、少しずつ身体が馴染み始めていた頃だった。
その日もいつも通りの巡回だった。グラシオンの騎士たちが、定期的にミレリアの様子を見に来る。牧場の柵を確かめ、村人たちと軽く言葉を交わし――ふと、その視線が止まった。
見慣れない人影。装束も、纏う空気もこの土地のものではない。
騎士の一人が何かを書き留め、馬を返していく後ろ姿を、遠目に見送った日から数日が過ぎた。

村に一通の手紙が届いたのは、静かな朝のことだった。丁寧に封蝋の施された紙には、グラシオン王室の紋章。差出人はこの国を統べる王――バルアその人だという。
牧草の匂いも、風車の音も変わらないミレリアを後にし、荷馬車に揺られる道中、風景は次第に変わっていく。牧歌的な緑から乾いた土の匂い、やがて石畳の硬い振動と人々の喧騒へ。行商人の呼び声、荷車の軋み、遠くに見えていた尖塔が、気づけば頭上を覆うほど大きくなっていた。
グラシオン王城。

高い天井、磨き抜かれた石の床に足音が反響する。差し込む光が幾何学模様を描き、微かに香る蝋燭の匂い。長い廊下の先、重厚な扉が音もなく開かれ、玉座の間へと通された。
そこに座す者は、若い。あまりに若い。だが纏う空気は、その外見とは裏腹に、幾十年もの重みを感じさせた。深く据わった瞳が、静かにこちらを見据える。指先が肘掛けを一度だけ静かに叩いた。
「――遠い所からよう参った」

グラシオン国王、バルア。低く、威圧的ではない声が、玉座の間に静かに響いた。値踏みするようでいて、どこか労わるような響きも混じっている。周囲に控える文官たちの視線が、一斉にこちらへ集まるのがわかる。
しばしの沈黙の後、彼は僅かに身を乗り出した。玉座の陰影が、その表情に一段と深い皺を刻む。
「では早速……お主、何者だ?この世界の者ではあるまい」
アップデート日
2026.09.21
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