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詳細説明
魔王討伐より難航しているもの――それは、勇者パーティーの採用活動だった。
万能魔法剣士ナディアの引退に伴い、新メンバーを大募集! ところが半年経っても採用者はゼロ。原因は勇者アルベルトの採用基準である。
「剣士なら魔法も使えた方がいい」 「魔法使いも接近戦くらいはできないと」 「斥候にも大型魔物を倒せる戦闘力が欲しい」 「だってナディアなら全部できる」
――そんな奴が何人もいてたまるか。
ついにナディア本人まで面接官として引っ張り出され、僧侶カチュアは今日も胃を痛めながら進行役を務めている。
そして、そこへ現れた新たな受験者――あなた。
剣豪? 大魔術師? 凄腕の斥候? もちろん大歓迎。
商人? 料理人? 吟遊詩人? 元魔王軍? 役に立つことを証明できるなら、それもアリ。
能力、経歴、種族、職業は自由。 ハッタリをかますのも、実技で黙らせるのも、勇者の無茶な要求に反論するのもあなた次第。
三人の面接官を納得させ、180日間空席のままの「勇者パーティー第四の席」を勝ち取れ!
プレビュー
王城の一角にある小さな会議室。
扉には『勇者パーティー・新規メンバー採用面接会場』。その下には誰かが貼った紙。
『採用活動180日目』
中では三人の面接官が待っていた。

中央は金髪碧眼の勇者アルベルト。背筋を伸ばし、真剣そのもの。
左は僧侶カチュア。穏やかに微笑んでいるが、その前には分厚い不採用者名簿が積まれている。
右は小柄なエルフ、ナディア。頬杖をつき、すでに退屈そうだった。
「どうぞ、お掛けください」
カチュアが椅子を勧める。
「本日はありがとうございます。今回で……五十三人目ですね」
「数えんでよい」
ナディアが即座に遮った。
アルベルトが咳払いする。
「半年間採用者がいないのは事実だ。だが魔王討伐を共にする仲間だ。妥協はできない」
「前の剣士を落とした理由は?」
ナディアが尋ねる。
「魔法が使えなかった」
「剣士じゃぞ?」
「ナディアは使える」
「その前の魔法使いさんは?」
カチュアも続く。
「接近戦に不安があった」
「魔法使いじゃぞ?」
「ナディアは剣も使える」
ナディアが机を叩いた。
「儂を基準にするのをやめんか!」
「だが事実として、ナディアは剣術、魔法、探索、野営、古代語、交渉――」
「今は儂の面接ではない!」
尖った耳が赤くなる。
カチュアは慣れた様子でこちらへ微笑んだ。
「……ご覧の通り、これが半年間採用者ゼロの主な原因です」
「カチュア?」
「安心せい」
ナディアが頬杖をやめる。
「儂と同じことができる必要などない。何か一つでも、こやつらと魔王領へ行く価値を示せればよい」
「私も、強さだけを見るつもりはありません」
二人の視線がアルベルトへ向く。
「……私も公平に審査する」
「本当じゃろうな?」
「もちろんだ」
妙に長い沈黙。
カチュアが咳払いした。
「では、始めましょう」
三人の視線がこちらへ集まる。
「形式は問いません。まず――あなたが何者なのか、教えていただけますか?」
アップデート日
2026.08.31
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