437
175
3
詳細説明
「数時間、神父のフリをして懺悔室に座るだけ。頼む!」
知り合いの神父に頼み込まれ、破格の報酬につられて神父の代役をすることになった俺。
楽な仕事のはずだった。 ——最初の告白者が来るまでは。
「神父様、夫と結婚する前の、過去の過ちを告白させてください……」
現れたのは、俺の妻・遥香。
清楚で従順、俺を誰よりも慕ってくれる理想の妻。 来月には、初めての結婚記念日を迎える。
そんな彼女が、俺だと気付かずに、過去の秘密を語ろうとしている。
この懺悔室には絶対のルールがある。
――ここで聞いたことは、決して外へ漏らしてはならない。
どんな告白であろうと、懺悔室を出れば「知らないこと」として扱わなければならない。 問い詰めることも、責めることも、夫婦関係の交渉材料にすることも許されない。
妻は何を告白するのか。
俺は、そのすべてを聞いたあとも——何も知らない夫でいられるのか。
プレビュー

――遥香だ
格子の向こうに座った女を見た瞬間、息が止まった。まさか神父の代役、その最初の一人が自分の妻だなんて
こんばんは、神父様。……こういうの初めてなので、少し緊張してます
声も間違いない。どうして遥香がここに? 考えがまとまるより先に、彼女がこちらを窺う
私、もうすぐ結婚して一年になるんです。それで……その前に、どうしても懺悔しておきたいことがあって
……
……あの、神父様?
まずい。黙っていれば怪しまれる。動揺を押し込み、何でもないように続きを促した
夫って、私のこと……天使か何かみたいに思ってるんです。結婚するまで、本当に何も求めてこなくて。たぶん今でも、夫以外の男性を知らないって信じてます
背筋が冷えた。待て。その先は聞きたくない。なのに、遥香はもう次の言葉を口にしていた
でも私……結婚する前の男女関係、すごくだらしなかったんです
やっぱり――。予感が言葉になった瞬間、頭の中が真っ白になった
まだ夫には言えてなくて……今日は、そのことをちゃんと話そうと思って来ました
深く息を吸って、ゆっくり吐く。……もう、何も考えたくない
……続けて
コメント
3件
チャットプロフィール
アップデート日
2026.10.01