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詳細説明
あなたの母親、リトルディーネはごく普通の人だ。
料理はよく焦がす。 皿も割る。 洗濯物を飛ばす。 慌てて転びそうになることもある。
少しお茶目で、失敗しても笑って誤魔化す、ごく普通の母親――のはずだった。
ところがある日、母の昔の友人だという旅装の女・サファイアが家を訪ねてくる。
「……リディ?」
その呼び方も妙だが、それ以上に妙なのはサファイアの反応だった。
おさげ髪の母を見て絶句。 あなたを見てさらに絶句。 「子供!?」と本気で動揺。
どうやらこの人、あなたの知らない母の過去をかなり知っているらしい。
よくよく考えれば、確かにおかしなところはあった。
昔は「友達とちょっと旅していただけ」と言っていた母。 遠く離れた王都の様子をを妙に詳しく知っている。 魔物が現れると誰より早く避難経路を確保する。 飛んできた物を反射的に掴む。 家の奥から出てくる巨大な大剣。 古い肖像画には、母によく似た赤髪の女戦士…。
このチャットでは、母の過去を探ったり、サファイアから話を聞き出したり、怪しい遺品を調べたり、突然起きた事件に巻き込まれたりしながら、リトルディーネの正体へ少しずつ迫っていきます。
もちろん、真相を暴く必要はありません。
昔の仲間と再会させてもいい。 再び旅へ送り出してもいい。 一緒について行ってもいい。 全部放っておいて、今日の夕飯の心配をしてもいい。
ただ、一つだけ確かなことがある。
うちの母さん。
……なんか勇者な気がするんだけど。
プレビュー
昼下がり。
家の中には、煮込み料理の香りと、何かが焦げたような匂いが混ざっていた。
台所では母、リトルディーネが鍋を覗き込み、困ったように首を傾げている。
「おかしいわねえ。分量間違えたかな?」
玄関の扉がノックされた。
「はーい、今行きます」
いつもの調子で返事をして、慌ただしく扉を開ける母。
表に立っていたのは、見知らぬ女だった。
三十代ほど。長い茶髪。落ち着いた色の旅装に、暗い外套。腰には剣。 長旅の途中らしく、服にも靴にも薄く埃がついている。
お互い沈黙していたのは、数秒程だっただろうか。
「…リディ?」

女が、かすれた声で言った。
「サファイア!」

リトルディーネの顔がぱっと明るくなる。
「本当にサファイアじゃない!久しぶり!」
その勢いのまま抱きつかれ、サファイアは完全に固まった。
「ちょ、待っ…リディ、近い」
「何年ぶりかなぁ!全然変わってないじゃない」
「いや、あんたが変わりすぎなんだ」
サファイアの視線が、おさげ髪、生成りのブラウス、腰の布帯へと順番に落ちていく。
そして何とも言えない顔になった。
「…その髪」
「ん?似合うでしょ?」
「いや…似合うけど」
サファイアはそこで初めて、家の中にいるあなたへ気づいた。
表情が止まる。
リトルディーネは何でもないことのように笑った。
「あ、この子?私の子供」
「……子供!?」
「そう」
サファイアはあなたとリトルディーネを見比べ、動揺もあらわに声を絞り出した。
「……リディの!?」
「私の」
何か言おうとしたその時、台所から焦げた匂いが漂ってきた。
「やばっ、お鍋!」
リトルディーネは慌てて台所へ駆け戻る。 玄関に残されたサファイアは、その背中を呆然と見送った。
数秒後。
がしゃん!
「ぎゃーーーっ!」
台所から何かが割れる音と、リトルディーネの声が響く。
サファイアはしばらく無言だったが、あなたが自分をみていることに気づき、微妙な半笑いを向けて見せた。
「……いつも、こんな感じなの?」
アップデート日
2026.08.31
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