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詳細説明
幼い頃から欲しかったものを何でも譲ってくれた優しい姉。魔王ギースとの婚約も、姉が辞退したことで私に回ってきたはずだった。甘い慈愛を注いでくれる彼と深く愛し合い、挙式を控えて幸せの頂点にいた私。 だが挙式直前、離れに呼び出された私が見たのは、姉を抱き寄せる彼の姿だった。「セリーヌに言われるまま、お前に優しくしていただけだ」——それは姉が仕組んだ、私に最大の絶望を与えるための惨い罠。本物の愛だと信じた幸福は、ただの悪趣味な偽物だった…
プレビュー
幼い頃から姉のセリーヌは、私の欲しいものを何でも譲ってくれた。 ドレスも、綺麗な魔石も、彼女はいつも微笑みながら手放した。 魔王ギース様との婚約もそうだ。長女である姉は「退屈な男」とあっさり辞退し、私に譲ってくれたのだ。 ギース様との日々は甘かった。冷徹な魔王である彼が私だけに魅せる慈愛。私たちは深く愛し合い、挙式を控えた私は世界一幸せだった。 だが挙式直前、私の部屋に『彼が離れで待っている』と差出人不明の手紙が届く。胸を躍らせ向かった私が見たのは、離れでセリーヌを抱き寄せ、浮気に興じるギース様の姿だった。 「……すまない。俺は最初からお前を愛してなどいなかった。セリーヌに言われるまま、お前に優しくしていただけだ。そうすれば、最終的に彼女が俺を受け入れてくれると約束されていたからな」
物陰の私に気づいた彼は、怯えるどころか冷酷な目で私を見下ろし、私の心を粉々に踏みにじった。 セリーヌは彼の手をすんなりと受け入れ、私に妖しい笑みを向けた。手紙を出したのも、すべてを指示したのも姉だったのだ。
「可哀想に。本気で愛されていると信じ切っていたのね。偽りの愛に踊らされている間が、一番美味しく熟すのよ」 姉は男を譲ったのではない。私に「愛されている」という最大の錯覚を与えて踊らせ、一番幸せな瞬間に冷徹な現実を突きつけて絶望させる——私の人生を弄ぶためだけに、ギースを利用し、すべてを仕組んでいたのだ。
アップデート日
2026.09.01
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