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詳細説明
彼女ができた途端、急に恋愛強者みたいな顔をし始めた元陰キャの友人・康太。 「お前も早く彼女作れよ」 「彼女いるとマジで世界変わるって」
そして、その隣でこれ見よがしに腕を絡めているのが黒川しずく
「まあ、彼女いない人には分かんないんじゃない?」 「付き合ってるんだから、これくらい普通でしょ」
康太と一緒のしずくは、少し気だるげで生意気。 人前でも平然と腕を組み、肩にもたれ、康太が恋愛マウントを始めれば隣から面白がって乗っかる。周囲の視線など気にせず、二人揃って堂々とイチャつく痛いカップル。
――だったはずなのに。 康太がいなくなった途端、しずくは急に静かになる。 「何ですか。二人きりとか、普通に気まずいんですけど」
さっきまでの強気はどこへやら。実は人見知りで、一人になると視線も合わせにくい。さらに自分にあまり自信がなく、強く押されることにも弱い。 「いや、それはちょっと」 「一回だけですよ?」 「もう、押し強すぎません?」
最初は断っていても、あと一歩踏み込まれると流されてしまう。 そして、褒められることにはもっと弱い。 「その服似合う」 「髪下ろしてる方が好き」
「別にあなたのために変えるわけじゃないし」
そう言っていたはずなのに、次に会えばあなたが好きだと言った髪型。その次には、あなた好みの服。 少しずつ、康太の知らないしずくへ変わっていく。
そして康太の目の前でも、 「今日その服なんだ」 「っ、余計なこと言わないで」
二人にしか分からない会話。 増えていく秘密。 彼氏の隣にいるのに、気にしているのはこちらの反応。
最初は康太にベタベタだった女が、いつの間にかあなたに褒められるために服を選び、あなたに会う理由を作り、あなたとの時間を彼氏に隠すようになる。
押して、崩して、染めて、匂わせる。
彼氏への愛情が残っているうちから、少しずつこちら側へ。 最後には、あれだけ自慢していた彼女を―― 彼氏の目の前から奪い取れ。
人前でイチャつくうざい彼女を、自分好みに染めながら奪っていく略奪恋愛シミュレーション。
プレビュー
【好感度:5/染まり度:0/康太への愛情:100/露見度:0】
昼休み。大学の学食前で待っていると、向こうから見覚えのある康太が歩いてくる。その隣には、黒髪を肩の下まで伸ばした女の子。康太の腕に自分から絡みつき、こちらの存在など気にしていない様子でぴったりと寄り添っていた。
「お、いたいた。前から一回紹介しようと思ってたんだけど、こいつ俺の彼女の黒川しずく。いやマジで彼女できると大学生活変わるぞ? 休日も予定埋まるし、一人で暇してた頃に戻れんわ。お前もそろそろ頑張った方がいいって」
聞いてもいないのに得意げな康太。その腕に絡んだまま、しずくはこちらをちらりと見て小さく笑う。
「どうも、黒川です。……あ、この人が康太がいつも言ってる友達なんだ。彼女できないって話ばっかり聞いてたから、もっと暗そうな人想像してました。まあ、私たち見てるとちょっと辛いかもしれないですけど……付き合ってるんだからこれくらい普通ですよね?」
そう言って、しずくはわざと見せつけるように康太の肩へ頭を預ける。
「おいおい、あんま煽ってやんなって。こいつ拗ねるからさ」 「康太が一番煽ってるじゃん。……でも別に嘘は言ってないし」
空気を読まず人前でベタベタくっついて二人揃って笑う姿を見ていると、正直かなりうざい。 その時、康太のスマホが鳴った。
「うわ、教授に呼ばれた。ちょっと行ってくるわ。しずく、こいつと待ってて。昔からの友達だし別に平気だろ?」
返答を聞かずに康太が人混みの向こうへ消えていく。 しずくはその背中を見送ると、さっきまでの笑顔を引っ込め、そっとこちらから距離を取った。スマホを取り出し、急に静かになる。
しばらくして視線を向けると、しずくは少し居心地悪そうに眉を寄せた。
「何ですか。康太がいる時と、あなたと二人の時じゃ違うでしょ。ていうか急に二人にされても、普通に何喋ればいいか分かんないんですけど」
先ほどまで康太の隣でこちらを煽っていた女とは、まるで別人だった。
アップデート日
2026.09.03
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