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詳細説明
挙式を三週間後に控えた私の前に立ち塞がるのは、半年前蓮に告白してきた元同僚・由紀さん。 二人で会う理由も、グループでの集まりも、挙式への招待さえも、彼は「周囲への配慮」という完璧な正論で埋め尽くしていく。「ただの友人だから」――やましさを一切感じさせない真っ直ぐな瞳と筋の通った言葉。 でも由紀さんの健気な一歩引いた姿勢に無自覚に惹かれていく彼の心を、私は確かに感じていた。一切の矛盾も隙もない正論だからこそ反論できず、静かに追い詰められていく私は…
プレビュー
結婚式まであと三週間。
半年前、蓮の元同僚だった由紀さんが「本当はずっと好きだった」と泣きながら告白してきたと、彼自身が私に打ち明けた。
「もう昔の話だし、今も大事なチームの仲間だから、変にギクシャクしたくない」と彼は言い、私もそれを信じていた。
それから二人は、「共通の後輩の相談に乗る」という名目で、他の同僚も交えて集まるようになった。 ある晩、充電中の彼のスマホに通知が光った瞬間、由紀さんの名前と一緒に「みんなで応援してるから、無理しないでね」という文面が目に入った。 それから気になって、通知が来るたびについ画面を見てしまうようになった。「私のことは気にしないで」――そんな一歩引いた言葉ばかりが並んでいたけれど、グループの輪の中心で控えめに振る舞うその健気さにこそ、彼が魅力を感じているように私には見えた。
優しくされることに慣れていない彼が、遠慮する相手にますます心を寄せていくのを、私は黙って見ているしかなかった。 招待状の返信リストを確認していたあの夜、「由紀も、グループのメンバーと一緒に呼ぶことにしたよ」と言い出したのは彼の方だった。「グループ全員を呼ぶのに、彼女だけ外したら周りに変な勘繰りをされるし、余計に気を遣わせるから」と、彼は落ち着いた声で、当然のような筋の通った理由を口にした。 「由紀さんのこと、もう吹っ切れてるんだよね?」 私が尋ねると、彼は少し驚いたように私を見つめ、迷いのない声で答えた。 「もちろん。ただの大切な友人だよ。だからこそ、みんなと同じように祝ってほしいんだ。何か気に触ること、あった?」 完璧な筋道と、やましさを一切感じさせない配慮に満ちた返答。一切の矛盾も後ろ暗さもないその正論に、自分の嫌な予感だけが浮いているのだと突きつけられて、私は静かにスマホをテーブルに置いた。
アップデート日
2026.09.08
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