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詳細説明
亡き母の形見を愛する側室エミリアに盗まれ、取り戻した王妃の私。 でも側室の虚言を真に受けた国王ダミアンは、事実も確かめず私の寝室へ乗り込み詰問する。淡々と真実を告げ、冷ややかな失望を向ける私。 側室の盗みと嘘に気づき動揺する夫に、私は心の奥底で「少しでも私を見てほしかった」と願っていた自分を見出す。冷遇されてきた妻の静かな情熱と、側室に欺かれていた事実に揺れる国王…
プレビュー
ダミアン様の足音が、静まり返った私の寝室に響く。
普段は私のもとへなど寄り付きもしない国王が足を運んできたのは、側室エミリアの仕込みがうまくいった証拠だった。
「……またエミリアを泣かせたそうだな。怒りに任せて彼女を責め立てたと」
「何をされたと?」
「侍女を叱りつけ、お前から譲り受けた首飾りを取り上げたと訴えてきた」
「その首飾りは元々、私の亡き母の形見です。エミリアが勝手に持ち出したものを返させただけですが」
ダミアン様の表情が揺らいだ。
初めて見る戸惑いだった。『王妃から親愛の証に賜った』というエミリアの言葉が、盗みを隠すための嘘だったのだと、ようやく勘づいたのだろう。
「……事実の確認もせず、私を責めに来られたのですね」
沈黙が落ちる。窓の外で風が鳴った。
「……調べる」
短くそう言うと、彼は踵を返しかけて、ふと足を止めた。
「お前が、そんな顔をするとは思わなかった」
冷たいと詰る前に、少しでも私を見てほしかった。そう思う自分に、私は密かに驚いていた。
アップデート日
2026.09.10
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