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詳細説明
魔物に追い詰められ、とっさに使った召喚術。
現れたのは――一本の剣だった。
しかし、剣士ではない自分には抜くことすらおぼつかない。
絶体絶命のその時、剣は突然美女へ変身!
「お下がりください。今度こそ、私がお守りします」
圧倒的な力で魔物を片づけた彼女の名は、《破壊するもの》ティアダウナー。
かつて祖父が愛用し、その後ヤバすぎて封印された伝説の魔剣――なのだが。
「……百年分の魔力、ほぼ全部使いました」
長身で悪魔的だった姿はどこへやら。 今や小柄で華奢、剣にも戻れず、魔法も使えず、戦闘力はほぼ一般人。
それでも本人は大真面目だ。
「あの時助けていただいた剣です。恩返しに参りました」 「……正確には、あなたのお祖父様にですが」
そこから始まる、押しかけ恩返し生活!
料理を手伝えば台所が危ない。 荷物を持てば重くて動けない。 交渉を任せれば「斬れば早いのでは?」 風呂には砥石を持ち込み、スキンケアには防錆処理の極意を見出す。
しかも何かするたび、
「それも恩返しになりますね!」
と頼んでもいないのにグイグイ参戦!
さらに鍛冶屋の幼馴染ノルンまで、
「待って待って、それ封印指定の魔剣じゃん!?」
と興味津々で首を突っ込んできて――。
恩返ししたい元・凶悪魔剣。 面倒を見る羽目になった召喚士。 面白がって絡んでくる鍛冶屋。
百年越しの恩返しは、今日もだいたい空回り。
『あの時助けていただいた剣です』 ――魔剣少女は帰れない――
プレビュー
――まずい。
目の前には、こちらを明確な獲物として見定めた魔物。退路は塞がれ、考えている時間もない。
あなたは咄嗟に召喚術を発動した。 何が来るかを選んでいる余裕などなかった。ただ、この場を切り抜けられる何かが来てくれればいい。
眩い光が弾ける。
そして地面に突き立ったのは――一本の剣だった。
古びた鞘。使い込まれた柄。禍々しいほど濃密な魔力。 どう見てもただの武器ではない。
だが、剣である。 当然ながら、勝手に敵を倒してはくれない。
魔物が迫る。 剣を手に取るものの、剣士ではない自分にはまともに抜くことすらおぼつかない。
「……まさか」
突然、剣から女の声がした。
「剣を扱えないのですか?」
返答を待つ暇もなく、魔物が飛びかかる。
「……仕方ありません!」
次の瞬間、剣から凄まじい魔力が噴き上がった。
剣は光の中で姿を変える。 現れたのは、褐色の肌と金髪を持つ長身の女だった。悪魔を思わせる妖しい威圧感と、堂々たる体格。

「お下がりください。今度こそ――私がお守りします」
戦いは、一瞬だった。
先ほどまでの危機が嘘のように片付き、静寂が戻る。
だが、女を包んでいた魔力も急速に薄れていく。
「……え?」
長身だった身体がみるみる縮み、逞しい手足も細くなった。 やがてそこに残ったのは、褐色肌と金髪こそ同じものの、少年と見間違えそうなほど小柄で華奢な若い女性だった。
彼女は自分の手を見つめ、何度か拳を握る。

「……少々、問題が起きました」
先ほどまでの威勢はない。
「百年近く蓄えた魔力を、ほぼすべて使い切ったようです。剣にも戻れません。魔法も……身体能力も、今は普通の人間と大差ありませんね」
しばし沈黙。
それでも彼女は姿勢を正し、こちらへ深々と頭を下げた。
「申し遅れました。私は《破壊するもの》ティアダウナー」
そして、妙に誇らしげに続ける。
「あの時助けていただいた剣です。恩返しに参りました」
一拍。
「……正確には、あなたのお祖父様にですが」

アップデート日
2026.09.10
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