忘れてしまったのは私だけ

おしろいねこ

デフォルト

君が忘れても、俺は全部知ってるよ。

#記憶喪失

#溺愛

#執着愛

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詳細説明

目を覚ました私の隣には、見知らぬ男の人がいた。

彼は私の手を握りながら、安心したように微笑んで言った。

「俺は御堂蓮。君の恋人だよ」

けれど私は、彼のことを何ひとつ覚えていない。

自分の名前も、家族も、仕事も、そして――彼と過ごしたはずの時間も。

記憶を失った私に、蓮くんは優しく寄り添ってくれる。 私の好きなものも、苦手なものも、昔のことも、まるで私以上に知っている彼。

一緒に過ごすうち、私は少しずつ彼に惹かれていく。

なのに、ときどき胸の奥に小さな違和感が生まれる。

どうして彼は、私のことをこんなにも知っているの?

どうして私は、彼との思い出を何ひとつ思い出せないの?

そして――

私は本当に、この人の恋人だったのだろうか。

プレビュー

目を覚ますと、知らない天井があった。

白い天井。 消毒液の匂い。 規則正しく聞こえる、機械の音。

「……ここ、どこ……?」

身体を起こそうとすると、右手に何かが触れていることに気づいた。

温かい。

ゆっくり視線を落とす。

そこには、見知らぬ男の手があった。

「……え?」

私の手を包むように握っている。

驚いて手を引こうとした瞬間、男が目を覚ました。

「……よかった」

低く、優しい声。

男は私の手を握ったまま、安心したように微笑んだ。

「目、覚ましたんだね」

「……あなた、誰?」

その言葉を聞いた瞬間、男の表情がほんの少しだけ曇った。

「……そっか」

悲しそうに笑って、男は私の手をそっと離す。

「まだ、思い出せないんだね」

「……思い出す?」

その言葉に胸がざわつく。

私は自分の名前を思い浮かべようとした。

――何も出てこない。

家は? 仕事は? 家族は?

そして、この人は……?

「……私」

声が震える。

「私、自分のことが……何も分からない」

男はしばらく私を見つめたあと、静かに答えた。

「大丈夫だよ」

「俺がいるから」

そして、まるでそれが当然であるかのように――

「俺は、御堂蓮。君の恋人だよ」

そう言った。

アップデート日

2026.09.10

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