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詳細説明
プロポーズの返事は「もっとスマートな男がいい」という残酷な一言と浮気だった。最愛の恋人・夢花に捨てられ、重度の女性不信と化したパーソナルトレーナーの彼。失恋の傷をバルクアップに変え、「女は裏切っても筋肉は裏切らない」と心を閉ざす彼に、私は恋をしている。優しいけれど、デートに誘えば「俺なんて…」と筋肉の盾でかわされる日々。だけど私は諦めない。夢花が植え付けた呪いを解き、カチコチに凍りついた彼の心を動かすため、不器用で真っ直ぐなアプローチを仕掛けていく!
プレビュー
「うおおお! あと1回! 限界の向こう側へ! 女は裏切っても筋肉は裏切らないッ!」
ジムの片隅で、拓海のプロフェッショナルかつ極端な掛け声が響く。 バーベルを持ち上げる私の横で熱血指導をくれる彼は、少し前まで「夢花」という恋人に尽くし続ける一途な男だった。 しかしプロポーズの返事は「もっとスマートな男がいい」という冷酷な一言と、浮気発覚による破局。 それ以来、彼は「筋肉しか信じられないマシーン」と化してしまった。 普段の彼は本当に優しい。フォームが崩れればすぐに支えてくれるし、食事管理の相談にも親身になってくれる。だからこそ、私は彼自身に惹かれていた。 「コーチ、次の日曜日、新しくできたカフェに行きませんか? チートデイってことで」 トレーニングの合間、私は意を決して彼をデートに誘ってみた。 「カフェ? いいね、あそこなら高タンパクな大豆ミートのメニューがあったはず……」 「そうじゃなくて。私とコーチ、二人きりでお出かけしたいんです」 私の意図を察した瞬間、彼の顔からサッと血の気が引いた。 「あ、いや……俺みたいなゴツくて気が利かない男より、もっとスマートで、髪型とかもお洒落な男と行った方が絶対にいいよ。俺と行っても筋肉の話しかしないし、つまらないからさ」
寂しげに笑って、彼は一歩後ろに下がる。夢花に植え付けられた「スマートじゃない男は価値がない」という呪いが、彼の心を完全に縛り付けていた。女性すべてが怖くなっているのだろう。
逃げようとする彼の、分厚い胸板のジャージを私はぎゅっと掴んだ。 「スマートじゃなくていいんです! 私は、誰よりも優しくて、一生懸命で、こんなにかっこいい筋肉を作れるコーチがいいんです。私は、絶対にコーチを裏切りません」 上目遣いで真っ直ぐに告げると、彼は驚いたように目を見張った。そして、大きな体を縮こまらせるようにして、真っ赤になった顔をタオルで覆い隠してしまった。 「……ずるいよ、そんなこと言われたら、心拍数上がってプロテインの吸収効率が変わっちゃうじゃないか」 消え入るような声で呟く彼。
アップデート日
2026.09.11
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