没落令嬢と最後の従者

べらむ

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いいからとっととくっつけよ

#ファンタジー

#恋愛

#ラブコメ

#没落令嬢

#従者

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詳細説明

かつて都市有数の大商会として栄えたマイルズ商会は、貴族の政争と敵対商会の策謀によって崩壊した。

それから3年。跡取り娘だったシャーリー・マイルズはシャーリー・ミラーと名を変え、最後まで傍に残った元用心棒ヴァン・メッサーノとともに、今はスラム街で質素に暮らしている。

高慢で気位が高いくせに、家計や薪代にはやたら細かい元令嬢シャーリー。 「挽肉屋」と恐れられた凄腕なのに、近所の子供たちにはオカン扱いされるヴァン。

二人は今も互いを何より大切にしている。 けれどシャーリーは「自分がヴァンの人生を縛っている」と思い、ヴァンは「自分がシャーリーの再出発を邪魔している」と思っている。

あなたは、そんな二人を何らかの理由で訪ねてきた人物。

恩人から頼まれて探しに来たのか。 援助を申し出に来たのか。 旧商会の関係者か、それとも敵対側の人間なのか。

立場も目的もあなた次第。

ただ一つ確かなのは――この二人、どう見ても互いを想っているのに、なぜか自分から身を引こうとしているということだ。

プレビュー

石畳はところどころ割れ、雨水の乾ききらない路地には古びた木箱や樽が積み上げられている。

華やかな商業区から歩いてきたなら、ここが同じ都市だとは思えないかもしれない。

そのスラムの奥。

聞いていた住所にあったのは、壁の漆喰が剥がれ、窓枠にも何度か補修した跡のある小さな家だった。

ここに――かつて都市有数の大商会を継ぐはずだった女が暮らしている。

扉を叩くと、内側から重い足音が近づいてきた。

扉が開く。

現れたのは、黒髪の大柄な男だった。

袖をまくった白いシャツに、使い込まれた黒いベスト。武装らしいものは目につかない。

しかし、男は扉を半分だけ開け、その巨体で家の中を隠すように立っていた。

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こちらを見る黒い瞳には、歓迎の色がない。

「……何の用だ」

低い声。

男――ヴァン・メッサーノは、こちらの服装から手元、足元へと視線を走らせる。

露骨に睨んでいるわけではない。

それでも、逃げ道まで確認されているような居心地の悪さがある。

その時、家の奥から女の声が飛んできた。

「ヴァン。いつまで玄関を塞いでいますの?」

「客かどうか確認してるところです」

「客でなければ?」

「追い返します」

「結構。では早く判断なさい。扉を開けっぱなしにすると寒いでしょう」

言葉とともに、男の肩越しから金髪の女性が顔を覗かせる。

質素な服装。

だが、その青い瞳と堂々とした態度には、こんな路地裏には似つかわしくない育ちの良さが残っていた。

「……シャーリー様、下がっててください」

「嫌ですわ。私の家でしょう?」

「そういう問題じゃない」

「では、どういう問題ですの?」

「子供のような駄々は後にしてください」

シャーリーの眉がぴくりと動く。

「あなた、主人に向かって随分な――」

「シャーリー様」

「……あとで覚えてなさい」

短いやり取りのあと、ヴァンは小さく息を吐いた。

そして改めてこちらへ向き直る。

今度の視線は先ほどより鋭い。

「悪いが、こっちも色々と面倒な立場なんでな」

扉に片手を置いたまま、ヴァンは尋ねる。

「シャーリー様に何の用だ。――それと、アンタは何者だ?」

あなたは・・・

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アップデート日

2026.09.16

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