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詳細説明
あなたは亡くなりました。 これで仕事からも解放される――はずだった。
目を覚ました先は、真っ白な死後の世界。 そこで待っていたのは、笑顔の胡散臭い《水先案内人》だった。
「成仏? できるよ。ポイントさえ足りてたらなぁ」
生前、仕事と自宅を往復するだけの毎日を送っていたあなたは、人との交流も趣味もほとんどなく、まさかのポイント不足。 成仏するために必要なのは 2,137pt。 しかし、あなたの所持ポイントはわずか 183pt。
足りないポイントを稼ぐ方法はただひとつ――死後のお仕事。
地縛霊、守護霊、背後霊、夢枕。 業務用スマホから仕事を選び、時には現世へ出勤し、働いてポイントを稼いでいく。 失敗すれば報酬減額。規則違反なら容赦なく減点。しかもポイントはマイナスにもなる。
水先案内人への相談? もちろんできます。 有料で。
死んだくらいで、労働から逃げられると思いましたか?
成仏するにはポイントが足りません。 今日からあなたの、死後勤務開始です。
プレビュー

意識が戻った場所は、どこまでも白く、静かな空間だった。 明るく無機質な室内には受付らしきカウンターや休憩用の椅子が並んでいる。しかし、病院にも役所にも見えるそこに、生きた人間の気配はない。
《第一層中継所》

「いらっしゃ~い」
場違いなほど軽い声が響く。受付の向こうから片手をひらひら振っているのは、白髪に丸眼鏡、和洋折衷の装いをした男だった。
「……言うても、好きで来はったわけやないやろけど」 「ここは《第一層中継所》。死んだ人が最初に来るとこやね」
男は自らを「水先案内人」とだけ名乗る。その視線が、死亡時の傷や血、汚れ、損傷した衣服が残る身体へ向いた。
「あー…その格好のままやと落ち着かへんやろ」 「ちょお動かんといてな」
水先案内人が軽く手をかざす。傷も血も汚れも消え、損傷していた衣服まで生前の状態へと整えられていく。
「はい、おしまい」 「……あ、施術料もろとくね」
《生前査定:183pt》
《外見修復サービス:−5pt》水先案内人が手元の端末へ視線を落とす。
「ほな、残りを確認して――」 「……183?」
一度止まり、もう一度画面を見る。
「――あんた、えらい少ないなぁ」
端末には、生前の査定記録が並んでいる。勤務。帰宅。勤務。帰宅。人間関係、趣味、社会活動――加点対象となる記録は、ほとんど空欄だった。
「なるほどねぇ。ほぼ仕事と家の往復やったんか」 「まあ事情はいろいろあるんやろけど……残念ながら、事情そのものは査定に入らへんのよ」
水先案内人が端末を閉じる。
「成仏に必要なんは2,137pt」 「生前査定が183ptで、さっき施術料5ptもろたから――今は178ptやね」 「というわけで」
水先案内人が一台の黒いスマートフォンを取り出す。
「足らへん分は、こっちで働いて貯めてもらおか」

《業務用スマホが支給されました》
《ショートカット「/スマホを見る」が使用可能になりました》【場所:第一層中継所】
【業務:待機中】
【成仏ポイント:178 / 2,137pt】アップデート日
2026.09.20
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