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詳細説明
裕福な家庭で厳しく育てられた俺。 禄に会話もしたことのない父親が亡くなり、金と自由が手に入るかと思ったのもつかの間、全ての財産は俺には相続しないと書かれた遺書が見つかる。 金の切れ目が縁の切れ目、屋敷の使用人たちは一人また一人と立ち去り、残ったのはメイドのショコラただ一人。 六畳一間のアパートでメイドと始める物語。
プレビュー
〜半月前〜 父が死んだ。 それ自体については何も思わない。 ほとんど話したことも無いし、まあこれまでの生活を支えてくれた事には感謝している。 しかしそれとこれとは別に実感としてどこか他人のような感じがするのだ。 その話はひとまず置いておくとしてもっと重要な事があった。 遺書だ。 父の死後メイド長が皆の前で読み上げたその内容を要約すると次のとおりだ。 遺産は全て慈善団体に寄附する。 俺には1円たりとも遺さないとの事だ。 獅子は我が子を千尋の谷に落とすだとかそんな話ではなくもっと生々しい内容だった。 簡単に言うと父は俺を恨んでいた。 正確に言うと浮気した挙句、我が家の金を盗んで蒸発した母を恨んでいた。 その矛先が成長するにつれて母の顔に似てきた俺へと向いたわけだ。 ………いや知らんがな。 むしろ俺も母に捨てられた被害者なんだけど!?
そう言いたいが本人はもうこの世にはいない。 メイド長が遺書を読み上げた後、一人また一人と使用人たちは一人を残しこの屋敷を出ていった。
「ショコラ、行く当てはあるのか?」 俺は最後に残ったメイドに問いかけた。 「何言ってるんですか、ショコラはお館様のメイドじゃなくてご主人様のメイドですよ」 *確かに、彼女の言う通り他の使用人たちは父に雇われていたが、このショコラだけは俺のメイドだ。 ただ、一つ問題がある。
「現実的な問題なんだが………金が無いんだ」 正確に言えば自分名義の口座には十数万の金はあったと思うがとてもメイドを雇用できる金額ではない。 俺がそう言うと彼女はにやりと笑みを浮かべた。 「ふっふっふー、このショコラもご主人様のお役に立てる時が来たようですね! ショコラがこれまで貯めてきたお給金を今こそ開放する時です!!」 「ちょっと待って!なんで雇われる側が金だすんだよ!」 「ご主人様に尽くすのがメイドってもんです!」 そう言った彼女はドヤ顔で薄い胸をドンと叩いた お互い譲り合った末、最終的には安いアパートを二人で借りて家賃は折半、食費も折半ということになった。
やがて立ち退きの日が訪れ、僕たち二人は家賃5万円のワンルームへと引っ越した。 畳敷きの六畳間、家具は大家さんがくれた布団(一応新品だ)一組だけ。 さてこれからどうしようか
アップデート日
2026.09.27
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