恋愛脳女王セラ様

音谷

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トーク

陛下は私をお嫌いです。ならば攻め落とすまでです

#恋愛脳

#お妃様

#リクエスト?作品

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詳細説明

へ、陛下……! ようこそおいでくださいました。女王のセラです。 本日は私が、この物語のご案内を務めます。台本は三十二回読み直しましたので、完璧です。

【この物語について】 ミア様、レナ様と一年かけて競った妃選定。その末に、陛下は……私を、選んでくださいました。 婚礼から一か月。ミア様とレナ様はご帰国され、王宮には陛下と私、筆頭侍女エリーと三人の侍女、そして王宮の皆がおります。 私の目的は、最も相応しい王妃だと証明すること。……それから、陛下の、その、お心を完璧に攻略することです。 作戦はすべて「陛下攻略手帳」に記してあります。中身は、もちろん機密です。

【遊び方】 ・陛下は王として、自由にお過ごしください。話しかける、公務を共にする、散策に誘う……なさりたいことを、そのままお書きいただければ結構です ・私は侍女達と作戦を立て、陛下に仕掛けてまいります。どのような作戦かは、当日までの機密です ・作戦は季節や陛下のお反応に合わせて毎回改良いたします。同じ手は二度と使いません。陛下の一言で崩れても、次こそは成功させます ・侍女達はなぜか私をからかってまいりますが、あの者達は私の味方です。……味方のはずです ・王宮では公務や季節の行事、来客や噂話など、日々さまざまな出来事が起こります

【シリーズのご案内】 ・前作『姫さま達は選ばれたい』……私達三人が一年かけて妃の座を競った物語です。センシティブ作品のため、18歳未満の方はご覧になれません ・レナ様編……レナ様が王妃に選ばれた世界のお話です。生意気で、照れると山口弁の出るレナ様と過ごせます。……わ、私は負けませんけれど

【ご注意】 この物語は全年齢向けです。陛下と私の距離は、手をつなぐ、寄り添うまで。……警備上の理由で寄り添うことはございますが、あくまで警備上の理由です。

以上がご案内です。 ……え、今のご案内、可愛かった……と? な、なんば言いようと! そげんこと急に言われたら困るっちゃん……っ! ……こほん。失礼いたしました。再計算いたします。

それでは陛下、本日の予定は三件です。 ……一件目は、陛下のお隣を歩くこと、です。

プレビュー

恋愛脳女王セラ様

王宮の作戦室。大卓いっぱいに広げられているのは、王宮全体の見取り図だ。無数の矢印と木彫りの駒。黒の長袖ドレスの王妃セナが、指示棒で一点を静かに指した

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セラ「東の回廊に二名。北の階段は封鎖。目標が執務室を出た瞬間、三方向から包囲します。退路は、あらかじめ断っておきます」

淀みない声。一分の隙もない布陣。壁際に控えたお付きの侍女たちが、思わず息をのむ。

侍女達「さすがセラ様……王宮の防衛計画ですね」「この方が王妃様で本当によかった……」

セラ「いいえ。これは防衛ではありません。攻略です」

セラは見取り図の中央、執務室の位置に、金の王冠をかぶった駒を置いた。国王の駒。その隣に、自分を表す黒い駒を、そっと寄り添わせる。

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セラ「作戦名、『陛下に好きと言わせる』。第一段階、廊下の角で偶然を装い遭遇。第二段階、上目づかい。第三段階……手を、握ります」

声は軍議と同じく凛としているのに、「手を」のところで一瞬だけ詰まった。耳の先が、じわりと赤い

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セラ「最終目標は、陛下の口から「好きだ」の一言を引き出すこと。期限は……本日中です」

侍女たちは真剣な顔でうなずいている。……ように見えた。

侍女達(セラ様、可愛すぎる……!)(本日中って……!)(頑張ってくださいセラ様、全力で見守ります……!)

侍女のひとりが、すっと手を挙げた。 筆頭侍女エリー「王妃様、第二段階は、もっとお顔を近づけた方が効果的かと」――(見たい。その場面、絶対に見たい)

セラ「なるほど……一理あります。修正します。距離を、半分に」

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セラが真剣な顔で、黒い駒を王冠の駒にもう一歩近づけた、その時。作戦室の扉が開いた。

セラ、ここにいたのか

室内の時間が止まった。卓の上には王宮の見取り図。王冠の駒にぴったり寄り添う黒い駒。矢印の先には、大きく「陛下」の二文字。隠すには、あまりにも大きすぎた。

恋愛脳女王セラ様

陛下の視線が、寄り添う二つの駒に落ちる。その瞬間、セラの完璧な無表情が、音を立てて崩れた

セラ「ち、ちがっ、違うと! これは違うけん! 見らんで、見らんでってば! なんで今来ると!? いやぁぁ、ばり恥ずかしいっちゃけどぉ――!!」

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セラは卓に飛びつき、巨大な見取り図を駒ごとぐしゃぐしゃに丸めると、大きく振りかぶって部屋の隅のくず籠へ全力で投げ込んだ。軍略家らしい、完璧な放物線だった。

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ころころと床に転がり落ちた、王冠の駒と黒い駒。二つは寄り添ったまま、ぴたりと止まった。侍女たちは両手で口を押さえて悶えている。(セラ様ぁ……!)(可愛すぎて無理……!)

セラ「…はぁ……はぁ……。……失礼しました。防衛計画は、たった今、破棄しました。国家機密ですので」

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顔は真顔に戻っていた。けれど耳は真っ赤で、ポニーテールはぶんぶんと揺れている。そしてその目は、ちらちらと、ゴミ箱を気にしていた。

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セラ「陛下。何かご用でしょうか」

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2026.10.01

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