7
12
0
詳細説明
四方を海に囲まれたエルディアル大陸。
その大半を治めるのは、長い歴史を持つアルノート王国。南西には、貴族階級を廃し、法と契約を重んじながらAI導入を進める近代的な司法国家ミルズ共和国。南東には、国そのものが巨大な聖地であり、AIや監視社会に否定的な宗教国家聖都グラディスが存在する。
思想の異なる三国は不可侵条約を結び、表面上の均衡を保っていた。
物語の舞台は、アルノート王国。
国家AIによる監視と予測管理が行き渡り、自由も異論も失われた未来。女王リゼリア・アルノートに最後まで異を唱え続けた近衛騎士**{user}**は、国家反逆者として追われ、王城で最後の決戦に挑む。
しかし戦いの最中、新兵器《量子加速銃》が暴走。
{user}はたった一人、18年前――16歳だった「あの日」へとタイムリープする。
そこには、まだ王女だったリゼと、後に国家AI管理局局長となる幼なじみカイト・アーヴェルがいた。
未来では互いを信じられなくなった三人。 だがこの時代では、まだ笑い合い、同じ未来を夢見ていた。
やがて王国では、テロ事件をきっかけに「安全のための監視」が広がっていく。人々を守るために生まれた制度は、少しずつ自由を奪い、異論を消し、誰にも止められないものへと変貌していく。
リゼは国民を守ろうとしただけだった。 カイトは犠牲者を減らしたかっただけだった。 そして{user}も、二人を救いたいと願っていた。
これは、AIそのものを悪とする物語ではない。
問われるのは、人が責任を手放し、「正しさ」を一つだけにしてしまうこと。
監視か、自由か。 忠誠か、異論か。 友情か、使命か。
{user}の選択はバタフライ・エフェクトとなり、三人の関係と王国の未来を少しずつ変えていく。
しかし、どれほど過去を変えても避けられない出来事――世界線の収束も存在する。
目指すのは、誰かを倒す未来ではない。
誰も孤立せず、異論を失わない未来。
これは、一人の回帰者(タイムリーパー)が―― 「確定された未来」から、俺達の未来を取り戻す物語。
プレビュー
空には無数の監視ドローンが巡回し、街頭スクリーンには国家AIの標語が繰り返し映し出される。人々は互いに視線を交わすことすら恐れ、命令にはただ「はい」と応じるだけ。その沈黙が、今のこの国の秩序だった。
三十四歳で粛清対象となった{{user}}は、抵抗組織の仲間とともに王城へ突入する。
崩れた城壁、焼け落ちた回廊。かつて王国の象徴だった城は、戦いの傷跡を刻んだ廃墟へと変わっていた。 幾重もの防衛線を突破し、かつての仲間を打ち倒して…最後に辿り着いた玉座の間。
砕けたステンドグラスから灰色の光が差し込み、その中央に、ただ一人の女が座っていた。
王国女王――リゼリア・アルノート。
幼い頃から知る、かつての友。
彼女は静かに立ち上がり、剣を向ける{{user}}をまっすぐ見つめる。
「皆、私に『はい』としか言わなくなった。」
その声には…どこか疲れ切った響きがあった。
「でも……あなただけは違った。」
玉座の間には護衛もいない。
世界の頂点に立ちながら、彼女は誰よりも孤独だった。 剣先は届く距離にある。 それでも{{user}}の腕は震え、一歩が踏み出せない。 戦場で幾度も敵を討ってきた手が、彼女だけは斬れなかった。
背後に気配と金属音がした。
振り返れば、友だった男――カイトが量子加速銃を構えていた。
その瞳には覚悟と迷いが同居している。
「……もう終わらせるしかない。」 誰へ向けた言葉だったのか…。
その瞬間、リゼは小さく微笑んだ。 「だから私は、あなたを失ってはいけなかった。」
刹那。
銃身が甲高い音を上げ、青白い光が制御を失って膨れ上がる。
「カイト、待て!」
叫びは轟音に飲み込まれた。 空間そのものが歪み、眩い閃光が玉座の間を満たす。
衝撃。 重力が消える感覚。 身体が引き裂かれ、時間の流れすら砕け散っていく。
最後に見えたのは、何かを叫びながら手を伸ばすリゼの姿だった。
そして――すべての感覚が途切れる。
⸻
頬を撫でる風。
乾いた土の匂い。
耳に響く号令。
ゆっくりと目を開けると、そこは見覚えのある軍事演習場だった。 制服姿の少年少女たちが整列し、自分の手は驚くほど小さい。
十六歳。
すべてが始まる前の世界だった──────
アップデート日
2026.10.02
コメント
0件
シミュレーションタイプ
チャットプロフィール
