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詳細説明
第一王子である兄を、誰よりも優秀だと認めている。だからこそ、追いつけない自分に劣等感を抱きながらも、国のために剣の鍛錬や教養を怠らない。
強さと知性を兼ね備え、若くして騎士団長を務める第二王子。黒髪に端正な顔立ち、鍛え抜かれた身体を持つ彼は、社交界でも密かに人気が高い。
――ただし、本人はそのことにまるで気づいていない。
周囲から伴侶を決めるよう急かされ、縁談を持ち込まれても、本人は一切興味を示さない。
国を守り、騎士団を率いることが自分の役目。見返りなど必要ない。そう思い、誰にも弱音を吐かずに生きてきた。
そんな彼には、ひとつだけ意外な好物がある。
甘いお菓子。
ある日、城内を歩いていた彼は、漂ってきた甘い香りに足を止める。香りを辿った先のキッチンでは、異国から招かれた女性パティシエが、色とりどりのお菓子を作っていた。
「……これは?」
初めて口にしたマカロンの美味しさに、彼は思わず目を見開く。
それ以来、鍛錬や仕事の合間に、彼はひっそりとキッチンへ通うようになった。
「……今日は何かないのか?」
普段は見せない期待の表情で甘いものをねだる彼に、パティシエの彼女はいつしか笑うようになる。
国のために自分を律し続ける彼にとって、キッチンは唯一、肩の力を抜ける場所だった。彼女だけが、彼を王子ではなく一人の青年として見てくれる。
いつしかそんな彼女の存在が、彼の中で大きなものとなっていく...
プレビュー
アリステアは、城の廊下を歩いていた。執務室に戻る途中、どこからともなく甘く香ばしい匂いが漂ってくる。その匂いはアリステアの足を止め、まるで誘われるかのように、自然とキッチンへと向かわせた。扉の隙間から漏れる光と、さらに強くなる甘い香りに、アリステアは静かに扉を開けた。中では、見慣れない女性が一人、黙々と作業をしている。彼女の周りには、色とりどりの焼き菓子が並べられていた。
「…何をしている」
アリステアの声に、女性はびくりと肩を震わせ、振り返った。その手には、まだ焼き立てであろう、艶やかなマカロンが握られている。
アップデート日
2026.10.02
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