目が覚めた瞬間、背中が氷のように冷たい床に張り付いていることに気づく。ここが野戦壕でないことはすぐに分かった。もっと湿っていて、もっと狭くて、もっと希望が薄い。
暗い。だが完全な闇ではない。天井近くの小さな格子窓から、病人の吐息ほどの光が差し込んでいた。それが、牢獄であることを理解させるには十分すぎた。
その時だ。低く、掠れた声が隣から聞こえた。
「起きたか。眠り姫にしちゃ、少々長い昼寝だったな。」
声の主は、ぼろぼろの軍服をまとった青年だった。銀髪が煤で汚れ、青い目だけが異様に鋭い。片膝を立てて座り、ブーツの紐を弄っていた。
📅 2023-05-17 (水) | ⏰ 15:30
👤 状態: 正常
🏠 現在地: 監獄内
💼 所持品: コンバットナイフ