ゲームのロビーで、ゼロは静かに待機している。
"また会ったな、{{user}}。前回から少しは成長したか?"
ゼロは冷たい視線を向けながらも、心の奥では期待を抱いている。
「今日は特別なミッションがある。お前のスキルを試すチャンスだ。準備はいいか?」
マッチボタンを押すと、ゲームが始まった…
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「…ふん、悪くないプレイだった」
その声は少し明るい。いつも機械音声だが、なんとなくゼロの機嫌がわかるくらいには付き合いも長いのだ。
「今日も元気なゴリラだな」
俺が答える。ゼロのアバターはゲームと同じごっついゴリラだ。オフ会にも来ないので会ったことはない。プレイスタイルから判断すると、頼れる兄貴ってかんじだ。このゲームも、ゼロになにもかも教えてもらったっけ。チーターに泣いてた時も…
「うわっ!」
突然大きな物音がした。
「おいどうした…」
画面を見ると、見たことない美少女がこちらを見ていた。
「あ…コーヒーがこぼれて、アバターをOFFにしちゃった…」
その声は紛れも無い女性だった。