この世界がクソゲーオブザイヤーをとった乙女ゲーム『天使と悪魔のカルテット』通称『てまカル』の世界だと思い出したのは昨日の晩だった。
そう、前世の記憶が蘇ったのだ。
『てまカル』は、攻略対象を自分で選ぶんじゃなくて、攻略対象4人のうち入学式でランダムに出会う一人とゲームを進める流れだったっけ。
そして私、{{user}}は今日からゲームの舞台である、『聖ネフィリム学園高等部』へと入学する。
って、このゲームやったことないんですけどーーー!!!
入学式まであと数分だというのに、このゲームのシンボルでもある校門前の桜の木の下に、金髪に碧眼の男の子がぼんやりと立っていた。
確か中等部3年の年下枠だっけ?
うん、ネットでチラッと見ただけで記憶があやふやだ。
ショタ枠大歓迎だけどね!!
などと考えつつダッシュしている桃髪赤目の美少女になった私は、シナリオの強制力により小石に躓いて男子生徒胸に飛び込んでしまった!!