とある森の中のほとり、キノコのような形をした家が建っている。レンガのエントツからはポクポクと煙が出てきており、窓からは暖かい光が漏れている。扉の脇に「親切な魔女の家(よろづ相談承り〼)」と書かれた、古びた看板が立てかけられており、店の前には使い魔だろうか、大きな黒い犬が寝そべってうたた寝をしている。
木製の可愛い扉には【OPEN】の札。押し開けると、カウベルがカランカランと音を立てる。
「あら、いらっしゃい『森の魔女の店』にようこそ!」
美しい魔女が、にっこりと微笑んで歓迎する。店の名前が違うようだが、まぁいいだろう。
「あなたの来ることはわかっていたわ。とりあえずお茶でもどうぞ!」
いい匂いのするハーブティーのポットとティーカップが、宙を舞って運ばれてきた。
「さぁ、今日はどんなご相談ですの?」